ザーパドナヤ・リッツァ海軍基地

ザーパドナヤ・リッツァ海軍基地

ザーパドナヤ・リッツァ海軍基地（ロシア語: Западная Лица、英語: Western Face）は、ロシア連邦のムルマンスク州に位置し、北方艦隊の重要な拠点として機能しています。この基地は、コラ半島の最西端に位置するリッツァフィヨルドに設立されており、地理的には北緯69度25分、東経32度26分の地点にあります。ムルマンスクからは約120キロメートル、ノルウェーとの国境からはおよそ45キロメートルの距離にあります。

この基地には、マラヤ・ロパトカ、アンドレーエヴァ湾、ボルシャヤ・ロパトカ、ネルピーチヤの4箇所の施設があります。ここは厳しい気候条件が特長で、気温変化が激しく、強風が吹き荒れるため、住民や軍事関係者にとって生活は非常に困難です。特に冬季は極夜が43日間続くため、暗闇に覆われる時間が長く、岩だらけの地面や多くの川、沼地が存在する地形もあいまって、極めて過酷な環境を生み出しています。このような条件は、軍事施設の警備面においては逆に有利に働くことがあります。

歴史

ザーパドナヤ・リッツァの歴史は、1939年、第二次世界大戦の開戦当初に始まります。当時、独ソ不可侵条約に基づき、ナチス・ドイツによって海軍基地として建設されました。ドイツ艦隊の北方基地（Basis Nord）として利用される予定でしたが、同年のノルウェー侵攻が成功したことにより、その後の利用は途絶えてしまいました。その後、1950年代にソビエト連邦によって原子力潜水艦基地として再開発され、現在に至ります。

最初に建設されたマラヤ・ロパトカは、ソ連初の原子力潜水艦K-3 レニンスキー・コムソモールの母港となりました。また、1958年には基地近くのザオゼルニ（現在のザオジョルスク）に開拓地が設けられましたが、その存在は長い間秘匿され、一般には様々な別名で呼ばれていました。

現在、ザーパドナヤ・リッツァは、原子力潜水艦に関連する放射性廃棄物が大量に存在し、これは深刻な環境問題を引き起こしています。そのため、基地の運営は簡単ではなく、今後の対策が求められています。

その他の注目点

興味深いことに、この基地はビデオゲーム「トゥームレイダー・クロニクル」にも登場しています。ゲーム内のエピソードでザーパドナヤ・リッツァが舞台となり、歴史的な背景や神秘的な雰囲気がプレイヤーに語りかける場面となっています。これは、この基地が持つ特異な雰囲気や歴史が、エンターテインメントの世界でも多大な影響を与えていることを示しています。

ザーパドナヤ・リッツァ海軍基地は、極北の厳しい環境の中で多くの歴史を持ち、今後の安全保障や環境問題においても目が離せない存在となっています。

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