シェアード・ワールド

シェアード・ユニバースについて

シェアード・ユニバース（共有宇宙）またはシェアード・ワールド（共有世界）は、異なる作家やアーティストが個別に作品を制作しながら、共通のストーリーやキャラクター、設定を産出する架空の世界を指します。この概念は、主にファンタジーやサイエンス・フィクションのジャンルで広く見られますが、他のジャンルでも用いられています。リーダビリティを保ちつつ、個々の作品が独立して成立するところが特長です。

シェアード・ユニバースは、単なる共同執筆とは異なります。例えば、ある作品に登場するキャラクターが他の作品にも共通して登場し、ストーリーが相互に関連しあうことで、広がりを見せます。また、これらの作品は独立した物語としても楽しむことができるため、多様なメディアを通じて展開されることが特徴的です。

定義と発展

この概念は、1970年代にアメリカのコミック研究者ドン・マークシュタインが初めて言及したもので、以降、様々な作家たちによる多くのプロジェクトで考慮されるようになりました。例えば、二つのキャラクターが出会った場合、そこから新たな関係やストーリーが派生しうるという具合です。こうした相互作用は、キャラクター間の関連性を生むため、シェアード・ユニバースの中で重要な役割を果たします。

インターネット時代の影響

近年、インターネットの普及によりオンライン上でもシェアード・ワールドが誕生し、誰でも創作に参加できる「オープンシェアワールド」や特に自由度の高い「フリーシェアワールド」と呼ばれる形式も登場しました。しかし、これらの用語やシェアード・ユニバースの範囲は曖昧なことが多く、混乱を招く場合も見受けられます。

ストーリーの整合性と管理

シェアード・ユニバースの特性の一つは、各作品が同一の歴史を尊重する必要がある点です。すなわち、各作品の出来事は互いに一致している必要があり、矛盾があってはなりません。ただし、作家や作品が増えるにつれて矛盾が生じることもあります。このような問題を解決するために、著者や設定を管理する人部門が「公式」と見なす設定を指す「カノン」という基準が設けられることが一般的です。

シェアード・ユニバースの種類

シェアード・ユニバースは、さまざまなメディアに跨がることが可能です。映画、テレビ、文学、テーブルトークRPGなどで活用されており、たとえばマーベルの映画には「マーベル・シネマティック・ユニバース（MCU）」があります。これは、スーパーヒーロー映画の中で統一された設定が使用され、キャラクターが他の作品に登場したり、共演することで一体感を生み出しています。

代表的なシェアード・ユニバース

ファンタジーにおいては、ロバート・アスプリンによる「Thieves' World」や、ラリー・ニーヴンの「魔法の国が消えていく」が代表的なシェアード・ワールドとして知られています。一方で、サイエンス・フィクションのジャンルでは「スタートレック」や「スター・ウォーズ」が非常に人気があります。

結論

シェアード・ユニバースの概念は、異なる作家やアーティスト間のコラボレーションを通じて、リッチで多層的な物語を生み出すことで魅力的な創作環境を提供します。新しい可能性が広がっていく中で、これからの展開にもますます注目が集まることでしょう。

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