シェイク・ハシナ

シェイク・ハシナ・ワゼド：バングラデシュの政治を牽引した女性

シェイク・ハシナ・ワゼド（1947年9月28日 - ）は、バングラデシュの政治家であり、同国の首相を延べ20年以上にわたって務めました。アワミ連盟の党首として、バングラデシュの政治を長きにわたり主導してきました。

生い立ちと激動の時代

ハシナは、バングラデシュの独立の父であるムジブル・ラフマンの長女として生まれました。幼少期は、父が政治活動で多忙であったため、母と祖母に育てられました。1975年には、軍事クーデターで父を含む家族のほとんどを失うという悲劇に見舞われましたが、当時西ドイツに滞在していたため、妹とともに難を逃れました。

政治家としての道

1981年に帰国後、アワミ連盟の党首に就任し、政治家としての道を歩み始めました。1996年には首相に初当選し、その後も複数回にわたり首相を務め、バングラデシュの経済成長に貢献しました。

長期政権と評価

首相在任中は、経済成長を達成する一方で、ハシナによる強権化が進んだという評価もあります。また、2024年8月には、退陣要求デモの激化を受けて首相を辞任し、インドへ脱出するという事態も起きました。

経済政策と課題

2期目以降の長期政権下では、援助による大規模インフラ整備や外国資本の導入、輸出振興策を進めました。その結果、国民一人当たりGDPは増加し、2026年には後発開発途上国からの脱却が見込まれています。しかし、縫製業中心の経済成長は雇用拡大には必ずしも繋がらず、国内の貧富の格差は依然として存在しています。また、高等教育を受けた層の失業率が高いことも課題となっています。

政治腐敗と人権問題

バングラデシュでは、汚職や政治腐敗が蔓延しており、国民の不満も高まっています。ハシナ政権下でも汚職は根絶されず、与党関係者への甘さも指摘されています。また、警察や軍から人員を引き抜いて作った特殊部隊による人権侵害も問題視されており、国際的な非難を受けることもありました。

家族

長男のサジェーブ・ワゼドは、情報通信技術問題顧問を務めています。長女のサイマ・ワゼドは、世界保健機関（WHO）の南東アジア地域事務局長に選出されました。

辞任後の動向

2024年8月に首相を辞任した後、インドへ出国し、イギリスへの亡命を希望していると報じられています。辞任後も、反政府デモの責任追及を求める声明を発表するなど、政治的な影響力を維持しようとしています。

シェイク・ハシナ・ワゼドは、バングラデシュの政治を長年牽引してきた重要な人物です。その功績と課題は、今後のバングラデシュの発展に大きな影響を与えるでしょう。

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