シェリル・リン

シェリル・リン（Cheryl Lynn、本名：Lynda Cheryl Smith、1957年3月11日 - ）は、アメリカ合衆国出身の女性歌手であり、そのパワフルな歌声で世界中の音楽ファンを魅了してきました。

ロサンゼルスで生まれた彼女は、幼い頃から教会でゴスペルを歌い、音楽的な才能を磨きました。当初はプロの歌手を目指していたわけではありませんでしたが、黒人ミュージカル『ザ・ウィズ』の巡業に参加したことが、彼女の人生を大きく変えることになります。

1976年、シェリル・リンは、かつて同じグループで歌っていたデルバート・ラングストンの勧めで、オーディション番組『ザ・ゴングショー』に出演し、見事優勝を果たします。審査が厳しく、審査員の評価も辛辣なことで知られるこの番組で、彼女は満点の300点を獲得し、司会者や審査員を唸らせました。司会者のチャック・バリスは、後に「L.A.ヘラルド・イグザミナー」紙で、シェリル・リンを「4000人近くの出演者の中で最高の存在」と絶賛しました。

この優勝をきっかけに、シェリル・リンにはメジャーデビューの話が次々と舞い込みましたが、彼女はデビューすることを躊躇していました。しかし、周囲の説得を受け、最終的にCBSソニーと契約し、1978年にデビューを果たしました。

デヴィッド・ペイチとデヴィッド・フォスターがプロデュースしたデビュー曲「トゥー・ビー・リアル」（Got To Be Real）は、当時のディスコブームに乗って大ヒットを記録し、彼女は一躍スターダムにのし上がりました。この曲は、現在もディスコクラシックとして親しまれており、多くのアーティストによってカバーされています。その後も、「イン・ザ・ナイト」などのヒット曲を連発し、ディスコシーンを代表する歌手としての地位を確立しました。

芸名の由来は、TOTOのデビューアルバムのバッキングボーカルの依頼で、アレンジャーのマーティ・ペイチが電話でコンタクトを取った際に、本名の「リンダ・シェリル」を「シェリル・リン」と記憶違いしたことがきっかけです。

1990年代に入ると、レーベルとの契約がなくなり、不遇の時代を過ごしましたが、リチャード・マークスやルーサー・ヴァンドロスのアルバムでバックボーカルを務めるなど、音楽活動を続けました。また、日本では洋楽のダンスミュージックブームが起こり、1995年にはavex traxから日本独自企画のオリジナルアルバム『グッド・タイム』を発売しました。

2010年には、大友康平の30周年記念プロジェクト『コラボ×3』に参加し、「My Precious fet.Cheryl Lynn」をリリースしました。

彼女の代表的なアルバムとしては、デビューアルバムの『シェリル・リン』、『イン・ラヴ』、『イン・ザ・ナイト』などが挙げられます。

「Got To Be Real」は、日本の音楽にも影響を与え、DREAMS COME TRUEの「決戦は金曜日」やSING LIKE TALKINGの「Rise」に影響を与えたと言われています。

シェリル・リンは、その圧倒的な歌唱力とパフォーマンスで、世界中の音楽ファンを魅了し続けています。

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