シェル・シルヴァスタイン

シェル・シルヴァスタイン：多才なアーティストの魅力

シェル・シルヴァスタイン（Shel Silverstein, 1932年9月25日 - 1999年5月10日）は、アメリカ合衆国出身の作家、イラストレーターです。1969年と1984年にはグラミー賞を受賞するなど、シンガーソングライターとしても才能を発揮しました。日本では、彼の作品『おおきな木』がロングセラーとして広く親しまれています。

人となり

シルヴァスタインはシカゴで生まれ、幼少期をミッドウェストで過ごしました。彼は自らを「野球選手になって女の子にもてたいと思っていたが、野球もダンスも苦手で、その代わりに絵、音楽、本の世界に入った」と語っています。朝鮮戦争の退役軍人でもあり、40歳代になってもひげ面にブルージーンズ、大きなカウボーイハットというラフなスタイルを好みました。詩人、音楽家、漫画家、児童文学作家と、様々な顔を持つ自由な人物であり、一か所に留まらず放浪の生活を送りました。「自分のやり方で」というモットーを掲げ、行きたい場所へ行き、やりたいことをやり、自分の目で確かめ、何にでも挑戦する姿勢を貫きました。

作詞家として

ルーズベルト大学でパフォーミング・アーツを学んだ経験から、シルヴァスタインは作詞家としても数多くの作品を手がけています。代表作として知られるのは、1970年にグラミー賞を受賞したジョニー・キャッシュのヒット曲「スーという名前の少年(A Boy Named Sue)」です。この歌は、女性的な名前である「スー」を父親から名付けられたために、いじめやからかいに遭い、喧嘩を繰り返して乱暴者に育った少年が、家出した父親に復讐するために酒場を訪ね歩き、ついに父親と対決するという物語を描いています。シルヴァスタイン自身、名前の「シェル」が女性的な響きを持つことから、子供の頃に友達からからかわれた経験が、この歌の着想につながったと言われています。また、「スー」という名前は、進化論を教えた教師が逮捕されたスコープス裁判の検察側弁護士、スー・ヒックス（男性）から取られています（ヒックスは、出産時に亡くなった母親の名前「スー」を付けられました）。後に、シルヴァスタインは「スーという名前の少年の父親」という歌も書いています。

著作

彼の作品は、日本語にも翻訳され、多くの人々に親しまれています。

『おおきな木』
『おかしなおかしなきりんくん』
『ぼくを探しに』
『歩道の終るところ』
『ビッグ・オーとの出会い : 続ぼくを探しに』
『屋根裏の明かり』
『ライオンのラフカディオ』
『人間になりかけたライオン』
『おとくなサイはいかがです？』
『天に落ちる』
* 『コノヒトタチつっつくべからず』

これらの作品は、子供から大人まで幅広い世代に感動と示唆を与え続けています。

シェル・シルヴァスタインは、その多才な才能と自由な精神で、多くの人々に影響を与え続けています。彼の作品は、時代を超えて愛され、読み継がれていくことでしょう。

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