シカゴ市消防局

シカゴ市消防局について

シカゴ市消防局（City of Chicago Fire Department, CFD）は、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ市に設置されている消防機関です。1858年に組織化され、アメリカで3番目に大きな消防組織であり、最も古い組織化された消防署の一つとして知られています。

概要

シカゴ市消防局は、シカゴ市内における救急医療、消火活動、救助活動を主な任務としています。また、伝染病などの生物学的危険、有害な化学物質、放射性物質など、市民の安全を脅かす可能性のある様々な脅威に対処する能力も有しています。

歴史

1858年8月2日にシカゴ市消防局を組織する条例が可決されるまで、前身となる消防団が活動していました。

組織

シカゴ市消防局は、以下の4つの部門（Bureaus）で構成されています。

警防部 (Bureau of Operations)
消防局内で最大の部門であり、消防救助課、救急課、特殊作戦課、火災調査室が含まれます。4,500人以上の職員が所属しています。
管理サービス部 (Bureau of Administrative Services)
人事課、訓練課、撮影班が含まれており、職員支援プログラムも担当しています。
会計部 (Bureau of Logistics)
施設、車両、その他の資産管理を担当しています。
防火部 (Bureau of Fire Prevention)
査察・検査を担当しています。

警防部の詳細

警防部は、以下の部門で構成されています。

消防救助課 (Fire Suppression and Rescue Division)
5つの消防地区で構成されており、各地区は地区長によって指揮されています。5つの地区内に24の消防大隊があり、各シフトごとに大隊長が指揮を執ります。
救急課 (Emergency Medical Services Division)
2つの救急部（南部と北部）で構成され、9つの救急地区があります。
特殊作戦課 (Special Operations Division)
危険物処理、空海救助、技術救助、潜水救助などを担当します。

部隊

警防部に所属する各小隊は、小隊長（CaptainまたはLieutenant）によって指揮されています。主な部隊は以下の通りです。

ポンプ隊 (Engine Company)
ほぼすべての災害に出動し、消火活動を主な任務としています。新任の消防士は、消防学校卒業後にポンプ隊に配属されることが多いです。
はしご隊 (Truck Company, Tower Ladder Company)
火災現場での建物内への侵入、要救助者の捜索・救助、換気、はしご車の操作などを担当します。はしご車には、捜索・救助用の器具、可搬式ブロアー、油圧救助器具などが積載されています。油圧救助器具は、交通事故などの救助活動にも使用されます。
救急隊 (Ambulance Company)
シカゴ市消防局の救急隊は、すべて高度救命処置（ALS）レベルの資格を有しています。
レスキュー隊 (Squad Company)
特別な訓練を受けた隊員で構成され、市内全域での技術的な救助活動に対応します。閉鎖空間、建物崩壊、潜水、トレンチ、ロープなど、様々な救助事案に対応することが可能です。市内には4つのレスキュー隊が配置されており、各隊は6人の隊員で構成されています。各小隊には、レスキュー車とスノーケル車の2台が配備されており、隊員のうち2人はスノーケル車を担当します。レスキュー1、2、5、7があり、レスキュー7はオヘア空港を担当しています。
危険物処理班 (Hazardous Incident Team)
市内には2つの処理班と1つの支援班が配置されており、市内全域の危険物災害に対応します。
空海救助班 (Air-Sea Rescue Unit)
ヘリコプターや消防艇を使用した救助・消防活動を行います。班内は航空隊と潜水隊に分かれています。

シカゴ市消防局が登場する作品

シカゴ市消防局は、以下の作品に登場します。

映画「バックドラフト」(1991年)
テレビドラマ「シカゴ・ファイア」(2012年〜現在)
架空の第51分署「レスキュー3」の活躍を描くドラマで、実際の建物や車両が撮影に使われています。現役の隊員もカメオ出演しています。

大きな事件・事故

シカゴ市消防局が対応した主な事件・事故は以下の通りです。

シカゴ大火 (1871年)
ミッケルベリーソーセージ会社爆発事故 (1968年)
通勤列車衝突事故 (1972年)

外部リンク

シカゴ市消防局公式サイト
Encyclopedia of Chicago - Firefighting. "Firefighting". Encyclopedia of Chicago. Chicago Historical Society.)

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