シシニウス (ローマ教皇)

シシニウスは、7世紀後半から8世紀初頭にかけて活躍したローマ教皇です。彼の正確な生年は不明ですが、650年頃に生まれたと推測されています。シリア出身と伝えられており、その出自は彼の後の教皇としての活動にも影響を与えたと考えられます。

教皇ヨハネス7世が707年10月に亡くなった後、約3ヶ月の教皇空位期間を経て、708年1月15日にシシニウスは第87代ローマ教皇に選出されました。しかし、選出された時点で彼はすでに高齢であり、さらに痛風という病を患っていたため、自力で食事を摂ることさえ困難な状態でした。

在位期間はわずか21日間と非常に短く、708年2月4日に急逝しました。しかし、その短い期間にもかかわらず、シシニウスは優れた品性の持ち主として知られており、市民のことを常に気にかけていたと伝えられています。彼は、教皇としての職務を全うしようと努めました。

在位中の数少ない功績としては、コルシカ監督の任命が挙げられます。これは、教会の組織運営において重要な決定であり、彼の指導力が垣間見えます。また、ローマの壁を修復するために必要な石灰を準備するよう指示したことも、彼の功績の一つです。この修復計画は、彼の後を継いだ教皇グレゴリウス2世によって実行に移されました。シシニウスの先見の明がうかがえます。

シシニウスは、旧サン・ピエトロ大聖堂に埋葬されました。彼の死後、教皇位は2ヶ月足らずのうちにコンスタンティヌスが引き継ぎました。コンスタンティヌスもまたシリア出身であり、シシニウスの弟である可能性が高いとされています。このことから、シシニウス家が当時の教会において重要な役割を担っていたことがわかります。

シシニウスの短い在位期間は、その後の教皇史において特筆すべき出来事として記録されています。彼の教皇としての在任期間は短かったものの、その品性と市民を思う気持ちは人々に感銘を与え、その後の教皇たちにも影響を与えたとされています。彼の功績は、教会の歴史の中で語り継がれていくことでしょう。

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