シスターズ・オブ・マーシー

シスターズ・オブ・マーシー

シスターズ・オブ・マーシー（The Sisters of Mercy）は、1980年代初頭にイングランドのリーズでアンドリュー・エルドリッチによって結成されたゴシックロックバンドです。その音楽スタイルはニュー・ウェイヴに触発され、バウハウスやザ・キュアーと並ぶ「ゴス」シーンの代表的存在となっています。バンド名はレナード・コーエンの楽曲に由来するとされ、独特の雰囲気を醸し出しています。

概要

シスターズ・オブ・マーシーはこれまでに3枚のオリジナルアルバムを発表していますが、各アルバムごとにメンバーが入れ替わり、エルドリッチがその中心的な存在として活動してきました。実質的にはソロプロジェクトに近い形態であると言えます。バンド名の背後にある意味には、単に音楽の枠を超えた文化的な深みも込められています。

略歴

第1期（1979年 - 1985年）

初期のシスターズ・オブ・マーシーは、エルドリッチとギタリストのゲイリー・マークスの二人組でスタートしました。エルドリッチはボーカルとドラムを同時に担当し、シングルをリリースした後、ドラムマシン「ドクター・アバランシュ」を導入することで、ドラムレスのスタイルを取ります。この時期に、デビューアルバム『マーシーの合言葉』を発表しました。しかし、エルドリッチの独裁的な性格からメンバー同士の関係が悪化し、1985年に解散を余儀なくされました。脱退したメンバーは新たなバンドを結成し、ゴシックロックシーンに新風を吹き込むことになります。

第2期（1987年 - 1989年）

解散後、エルドリッチは「シスターフッド」を結成しますがすぐに活動を休止。その後、1987年に元ガン・クラブのパトリシア・モリスンを迎えてシスターズ・オブ・マーシーを再結成しました。2ndアルバム『フラッドランド』は、ギターに加えキーボードと女性コーラスが効果的に組み合わされ、商業的成功を収めました。このアルバムは、バンドの音楽的幅を広げる重要な作品となりました。

第3期（1989年 - 1993年）

モリスンもエルドリッチとの確執から辞め、次に元ジェネレーションXのトニー・ジェイムスやティム・ブリッチェノが加わります。1990年には3rdアルバム『ヴィジョン・シング』をリリースし、音楽スタイルはハードロックと融合。ツアー時には他アーティストとの共演も行い、当時の音楽シーンに影響を与えました。その後はメンバーが流動的で、一時的に活動が安定しない時期が続きます。

再始動（1996年 - 現在）

1993年のツアー終了後は長い間活動が停滞していましたが、1996年よりゆっくりとライブ活動を再開します。2006年にはオリジナルアルバムがリマスターされ、過去の楽曲が再発表されました。2011年には結成30周年を祝うツアーを実施し、フジロックフェスティバルに出演するなどして注目を集めました。

現メンバー

2020年までは、アンドリュー・エルドリッチが中心のラインナップで活動し続け、彼の音楽的なビジョンがバンドを牽引しています。

まとめ

シスターズ・オブ・マーシーは、独自の音楽スタイルと深い歌詞で多くのファンに支持され続けています。それぞれのアルバムからの進化と変化は、彼らの物語の重要な部分であり、ゴシックロックというジャンルにおいても特異な存在感を持続しています。

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