シットウェ

シットウェ（Sittwe）

シットウェは、ミャンマー西部に位置するラカイン州の州都であり、バングラデシュとの国境に近い場所にあります。かつてはアキャブと呼ばれていました。この都市は、歴史的に重要な港町であり、多くの変遷を経験してきました。

名称

シットウェは、ビルマ語で စစ်တွေ (Cacʻ tve) と表記され、ALA-LC翻字法では /sɪʔtwè/、IPAでは「スィットウェー」と発音されます。ラカイン語では စိုက်တွေ (Cuikʻ tve) と表記され、ALA-LC翻字法では /saɪʔtwè/、IPAでは「サイットウェー」に近い発音となります。

歴史

初期

シットウェは元々、小さな漁村でした。18世紀後半、ビルマのコンバウン朝がアラカン王国を征服する過程で、この地が歴史の舞台に登場します。1784年、ボダウパヤ王は3万人の兵を送り込み、アラカン王国の3000人の兵士はシットウェで抵抗しましたが、最終的に壊滅しました。この戦いの後、アラカン王国の首都ミャウウーへの道が開かれ、アラカン人の独立は終わりを告げました。

イギリス統治時代

1826年、第一次英緬戦争の結果、シットウェはコンバウン朝からイギリスに割譲されました。その後、特に米の交易港として発展し、ラカイン州の州都も内陸部から沿岸部のシットウェに移されました。1866年には人口が1万5536人に増加し、1901年には3万1687人に達し、ビルマ第三の港となりました。

近現代

20世紀には、第二次世界大戦中のビルマ戦線において、シットウェの空港と深い港は、日英両軍による激しい争奪戦の舞台となりました。また、1879年には、イギリスの植民地支配に抵抗した僧侶、ウー・オッタマがシットウェで誕生しています。

近年の出来事

近年では、2007年のサフラン革命で、シットウェの僧侶たちが軍政への抗議活動を開始しました。2012年には、仏教徒によるロヒンギャの家への放火事件が発生し、政府は数万人のロヒンギャをシットウェの収容所に収容しました。2015年のロヒンギャ難民危機では、ミャンマーとバングラデシュから約2万5千人のロヒンギャが船で避難しました。2023年5月14日には、サイクロン・モカがカテゴリー4の勢力でシットウェに上陸し、大きな被害をもたらしました。

治安

シットウェでは、民族間の緊張が常に存在します。2014年には、国際的な医療支援団体のアメリカ人活動家が仏教旗を冒涜したとして、数百人の仏教徒が暴動を起こしました。その翌日には、暴徒が世界食糧計画（WFP）の倉庫を襲撃し、治安部隊の威嚇射撃により1名が死亡する事件も発生しています。

参考文献

Wikipediaのシットウェの記事

関連項目

* シットウェ港

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