シトラス学園

『シトラス学園』は、漫画家・山本ルンルンによる作品で、2000年から2003年にかけて『CUTiE Comic』と『Vanilla』で連載されました。本作は、山本ルンルンにとって初の雑誌連載作品であり、各エピソードが独立したオムニバス形式で展開されるのが特徴です。

概要

タイトルに「シトラス学園」とありますが、物語の舞台はシトラス学園に限定されず、シトラス公国を舞台にした様々な場所でエピソードが繰り広げられます。登場人物も各エピソードで異なりますが、過去の主人公が別のエピソードで脇役として登場するなど、世界観は共有されています。

ストーリーは、ファンタジックな世界観の中で描かれる人間模様が中心。山本ルンルンの他の作品、『オリオン街』や『マシュマロ通信』（『マシュマロ通信』もシトラス公国を舞台とする）と共通する作風を持ちますが、本作は、他の作品に比べて毒気やブラックユーモアが強く表現されているエピソードが多いのが特徴です。

単行本は宝島社から刊行されましたが、掲載誌の変更により未収録作品が存在していました。これらの未収録作品は、後に刊行された『シトラス学園完全版』に収録されています。

登場人物

オムニバス形式のため、固定の主要登場人物はいません。ここでは、『シトラス学園完全版』に登場する順に主なキャラクターを紹介します。

ドロシー: ピンクの長髪の女の子で、ミランダの友人です。
ミランダ: 黒色の巻き毛が特徴的な女の子。美貌に自信があり、周囲の注目を集めることを好みます。
マニー: 水色の髪の女の子で、ミランダの友人。ミランダ、ドロシーとよく一緒にいます。
校長先生: シトラス学園の校長。間の抜けた顔つきから生徒に舐められていますが、一部の生徒からは恐れられています。
ジル: 三つ編みとそばかすが特徴の女の子。冷静な性格で、洋裁が得意です。イギーと仲が良いです。
イギー: 黒い長髪の男の子。バンドでギターとボーカルを担当し、女子に人気があります。マッシュ村に住んでいます。
デイジー: オレンジ色の髪のおてんばな女の子。トラブルメーカーで、単行本の表紙も飾りました。ペットの「ウサギイヌ」マッドちゃんとよく喧嘩をしています。
マギー先生: デイジーの担任教師。彼氏いない歴26年で、占いに依存しています。
ボリス: オレンジのパーマヘアの男の子。6人兄弟で、両親がいないため貧しい生活を送っています。アルバイトで家計を支え、幼い妹ミッシェルを背負って学校に通っています。冷静で大人びた性格です。
ミッシェル: ボリスの妹。まだ話すことのできない乳児でおとなしいです。
スージー: 藍色のボブカットの女の子。学級委員長で成績優秀ですが、親からの愛情不足に悩んでいます。
リスキー: サングラスをかけた不良少年。飲酒や喫煙をしています。父親は酒乱で、母親はいません。
ニコル: メガネをかけたガリ勉タイプの男の子。クラスメイトを快く思っていません。スージーをライバル視しています。
ロベルタ: 大人しくて内気な女の子。SFが好きでジャックと仲が良いです。
ジャック: サッカーとSFが好きな男の子。個性的なクラスの中ではまともな存在です。
フューチャー博士: ロベルタの父親で植物学者。研究費の使いすぎで職を失いました。