シトロエン・アミ (2020年)

シトロエン・アミについて

シトロエン・アミ（Citroën Ami）は、2020年にシトロエンによって製造され、販売が始まった2人乗りの電動マイクロカーです。この車両は、1961年から1978年にかけて販売されていたアミの名称を引き継いでいます。また、オペルの「ロックスe」とフィアットの「トポリーノ」といった兄弟車種も存在します。

概要

シトロエン・アミは、2020年2月27日にパリで発表され、2019年のジュネーヴモーターショーで紹介されたAMI ONEコンセプトの市販化モデルです。製造はモロッコのケニトラ工場で行われ、コスト削減が図られています。この車はEUではクアドリシクルに分類され、最大速度が45km/hに制限されているため、14歳から運転免許なしで運転できるのが特徴です。

アミには、6kWの電動モーターと5.5kWhのリチウムイオンバッテリーが搭載されており、標準コンセントから3時間で充電可能です。全長はわずか2.41mで、最小回転半径は3.6mと非常に小回りが利きます。

特徴

アミの設計の最大の特徴は、そのシンプルさです。内装は無駄を省いており、運転席と助手席は同じドアで開閉します。また、ドライブポッドと呼ばれる独特な形状のステアリングホイールも注目されます。スマートフォンを収納するスペースがあり、現代のニーズに応えた設計がされています。

特に環境に配慮した設計が評価され、2021年11月にはギリシャのハルキ島で警察や沿岸警備隊に導入されました。この2台は島の「持続可能なモビリティ」目標の実現に寄与すると期待されています。

販売経路

アミの販売は、2020年5月にオンラインで開始され、フナックやダルティの店舗を通じても行われました。また、シトロエンディーラーでも取り扱いが始まりました。フランスでの価格は約€6,000からで、オンライン注文による宅配も利用可能です。特にカーシェアリング用に開発されたこのモデルは、「Free2Move」といったサービスにも含まれており、長期レンタルは手頃な価格で利用できます。

兄弟車種

アミの兄弟車両であるオペル・ロックスeは、2021年8月にドイツで発売されました。このモデルはほとんど同じ設計を持ちながら、ボディカラーやロゴが異なります。同様に、フィアットは2022年4月にトポリーノの新型モデルを発表し、こちらもアミと類似の設計をベースとしています。

設計と構造

量産モデルはコンセプトカーに比べると簡素化されていますが、外観の対称性は維持されています。内装は最低限の機能のみが装備され、エアバッグや運転支援システムは省略されています。全体的に、テクノロジーの冗長性を避けたシンプルな作りで、スマートフォンを利用したインフォテインメントが採用されています。

評価

イギリスの自動車雑誌では、アミの広い視界やハンドリングが高く評価されましたが、モーターのノイズというデメリットも指摘されています。フランスの《Auto Plus》は、アミ・カーゴのレビューでいくつかの欠点を指摘しました。それでも、機動性が高いことが利点として挙げられ、多くのユーザーに支持されています。

リコールと論争

2021年には生産された車両のリコールが実施され、密閉性やブレーキシステムに問題があることが明らかになりました。また、イタリアではドアに国旗のステッカーが付いていることを理由に税関が入庫を阻止するなどの問題も発生しています。このように、シトロエン・アミは注目される存在であり続けています。

結論

シトロエン・アミは、その革新的なデザイン、環境に優しい特性、手頃な価格から、多くのユーザーに受け入れられています。都市部での移動手段として、今後も需要が高まることが期待される一台です。

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