シビル・ウォーII

シビル・ウォーII (Civil War II)

「シビル・ウォーII」は、2016年にマーベル・コミックから出版されたクロスオーバー・ストーリーラインです。2006年の「シビル・ウォー」の続編にあたり、ブライアン・マイケル・ベンディスが脚本、デヴィッド・マルケスが作画を担当した全9号のリミテッドシリーズを中心に、多数のタイイン誌で構成されています。

あらすじ

物語は、未来を予知する能力を持つ新たなインヒューマン、ユリシーズの登場から始まります。この能力を利用して犯罪を未然に防ごうとするキャプテン・マーベルと、罪を犯す前の処罰は許されないと考えるアイアンマンが対立。ヒーローたちは二つの陣営に分かれ、激しい衝突を繰り広げます。

物語は、ユリシーズの予知能力がもたらす倫理的なジレンマと、ヒーローたちの選択が未来に与える影響を描いています。ウォーマシンやシーハルクといったヒーローが傷つき、ブルース・バナー（ハルク）がホークアイによって殺害されるなど、衝撃的な展開が続きます。

最終的に、ユリシーズは「確定した未来の予知」ではなく、あらゆる可能性のある多次元宇宙へのリンクであることが判明。ユリシーズはエターニティに招かれ、新たな宇宙的存在へと進化します。事件後、キャプテン・マーベルはスーパーヒーロー・コミュニティを未来に導くための無制限のリソースを提供されます。

制作背景

「シビル・ウォーII」は、マーベル・スタジオの映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』の公開に合わせて企画されました。そのため、準備期間はわずか3、4ヶ月という異例の短さでした。

ライターのブライアン・マイケル・ベンディスは、前作「シビル・ウォー」と同様に、どちらの陣営にも正当性を持たせ、読者が一方的にどちらかを支持しないように心がけたと語っています。また、物語のテーマとして「人々の個人的な説明責任」を掲げ、現代社会における監視や責任のあり方を問いかけています。

タイイン作品

「シビル・ウォーII」は、本編のリミテッドシリーズだけでなく、多数のタイイン作品が刊行されました。これにより、物語はマーベル・ユニバース全体に広がり、様々なキャラクターの視点から事件を描き出しています。

シビル・ウォーII: アメイジング・スパイダーマン
シビル・ウォーII: チュージング・サイド
シビル・ウォーII: ゴッド・オブ・ウォー
シビル・ウォーII: キングピン
シビル・ウォーII: ユリシーズ
シビル・ウォーII: X-MEN
シビル・ウォーII: アキューズド
シビル・ウォーII: フォールン
* シビル・ウォーII: オース

また、『オールニュー・ウルヴァリン』、『キャプテン・アメリカ: サム・ウィルソン』、『デッドプール』、『インビンシブル・アイアンマン』、『Ms.マーベル』など、多くのオンゴーイングシリーズでもタイイン展開が行われました。

テーマ

「シビル・ウォーII」は、未来予知という特殊な能力をめぐる倫理的な問題や、自由意志と安全の確保という相反する価値観の衝突を描いています。また、ヒーローたちの行動が未来に与える影響や、責任の所在についても深く掘り下げています。

この作品は、スーパーヒーローの世界を舞台に、現代社会における監視、責任、そして正義のあり方を問いかける、示唆に富んだ物語となっています。

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