シマノ・デュラエース

シマノ デュラエース：ロードバイク最高峰コンポーネントの進化の歴史

[シマノ]]が開発・製造するロードバイク用コンポーネント「デュラエース(DURA-ACE)」は、その最高峰の性能と歴史で知られています。その名は、[[ジュラルミン]素材とDurability（耐久性）、そして「世界一」を目指す「エース」という思いを込めて名付けられました。発売当初は「ジュラエース」という表記も用いられていました。

誕生と初期の開発 (1971年～1980年代)

1971年、デュラエースブランドはクランクとチェーンリングから始まりました。これは、アメリカ向け高級アルミ外装変速機「クレーン」と同時開発され、同等の高級感を追求した製品でした。翌年にはシマノヨーロッパを設立し、ヨーロッパ市場でのレース用部品開発が本格化。「Dura Ace Component with Crane model」として高級コンポーネントが発売されましたが、当時はカンパニョーロのコピーと見なされ、市場での評価は低かったようです。

1978年にはデュラエースEXにモデルチェンジ。ハッチプレートメカニズムやユニグライドメカニズムの採用、カセットフリーハブの登場など、後の技術革新の礎となる要素が盛り込まれました。これは、競合他社であるマエダ工業の「シュパーブ」シリーズへの対抗製品としての位置付けでした。

1980年代にはエアロダイナミクスが重視されるようになり、デュラエースAX（通称73デュラ）が登場。全てのコンポーネントがエアロ化されましたが、軽量化重視で強度不足などの問題も発生しました。DDハブ、DDペダルなど、革新的な技術も採用されましたが、ペダルは折損事故も発生、設計の見直しを余儀なくされました。また、ニューポジティブメカニズムなど、互換性に欠ける技術も採用され、市場での課題となりました。

SISとSTIによる革命 (1984年～1990年代)

1984年、7400系へのモデルチェンジでは、シマノインデックスシステム（SIS）と、世界初のデュアルコントロールレバーであるシマノトータルインテグレーション（STI）が導入されました。当初は「子供のおもちゃ」と揶揄されたSISでしたが、その利便性から大ヒットし、プロ選手にも広く採用されました。STIはブレーキと変速を一体化し、操作性を飛躍的に向上させました。7410系へのビッグマイナーチェンジでは、クランクデザインも変更されました。

7700系ではリア9段変速化、軽量化と高剛性の両立を目指したホローテッククランクが開発されました。また、防錆性の向上も図られています。7800系ではリア10段変速化、ホローテック2クランクの採用で軽量化がさらに進みました。このモデルは、シリーズで唯一フロントトリプルに対応したモデルでもあります。

軽量化と電動化への進化 (2000年代～現在)

7900系では、アルミ合金とチタン合金に加えカーボンパーツが導入され、さらなる軽量化と変速性能の向上が図られました。STIレバーのシフトケーブルは内蔵式となり、無線化されたサイクルコンピュータのセンサーユニットも組み込まれました。また、電動変速機Dura-Ace Di2（7970系）が登場し、プロレースシーンでも採用されるようになりました。

9000系では11速化、特徴的な4本アームクランク、左右対称形状のデュアルピボットキャリパーブレーキが採用されました。9070系Di2では、PC接続による詳細な設定が可能となりました。

R9100系では、油圧ディスクブレーキがラインアップに加わり、クランク式パワーメーターが登場しました。リアディレイラーには「Shadow」デザインが採用されました。Di2では、シンクロシフトに対応しました。

最新のR9200系では、12速化、HYPERGLIDE+の採用、セミワイヤレスシステムなど、更なる進化を遂げています。ディスクブレーキローターやチェーンなど、一部コンポーネントはXTRと共通化されています。

まとめ

デュラエースは、常に最高の性能を追求し、革新的な技術を投入し続けることで、ロードバイクコンポーネントのトップブランドとしての地位を確立してきました。その歴史は、自転車技術の進化そのものを物語っています。50年以上に渡る歴史の中で、成功と失敗を繰り返しながらも、常に進化を続け、現代のロードバイクシーンを牽引し続けています。今後のさらなる進化にも期待が高まります。

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