シマノ・Deore XT

Deore XT：マウンテンバイクを進化させたシマノのフラッグシップコンポーネント

[シマノ]]が製造・販売するDeore XTは、[[マウンテンバイク]において高い人気を誇るコンポーネントです。1982年、ランドナー用コンポーネント「Deore」から派生した世界初のMTB専用コンポーネントとして誕生しました。当初はMTB用コンポーネントのトップグレードとして君臨していましたが、1992年にXTRが登場するとセカンドグレードへと位置付けが変わります。その後も、Deore DX、Deore LXといった下位グレードが登場し、コンポーネント群におけるXTの位置付けは変遷を遂げました。2008年にはSLXが登場し、さらに2019年には12速化を果たしたXTが上位グレードへと返り咲くことになります。

Deore XTの特徴：軽量性と堅牢性を両立した高い信頼性

Deore XTは、軽量設計でありながら抜群の堅牢性と信頼性を兼ね備えています。その高い信頼性から、長年にわたり多くのMTB愛好家に支持されています。また、シマノの最新技術や機能が比較的早く採用される傾向があり、XTRよりも先に新技術が搭載されるケースも見られます。そのため、セミプロレベルの非舗装路レースでも使用されるほど高い性能を誇ります。現在では、50万円以上の高価格帯の完成車に採用されることも多く、その人気と信頼性の高さを示しています。

各世代の変遷：技術革新と進化の歴史

Deore XTは、長きにわたる歴史の中で数々のモデルチェンジを繰り返してきました。各世代における特徴的な進化を以下に示します。

M700系(1983年):

初代XT。リア6速対応で、ディレイラーに鹿のエンブレムが特徴的な「鹿Deore」の愛称で親しまれました。

M730～M735系(1987年):

パーツごとのマイナーチェンジが繰り返され、型番の変更だけでは世代の特定が難しいほど、多くのバリエーションが存在します。SIS化や7速化、SLRの導入などが行われました。

M737～M739系(1994年):

フルモデルチェンジ。XTRの下位グレードとなりました。リア8速化、ラピッドファイヤープラス化、Vブレーキ化(パラレルリンク搭載)が主な変更点です。

M750系(1998年):

リア9速対応、Vブレーキ採用、Uブレーキ廃止

M760系(2003年):

リア9速対応、油圧式ディスクブレーキ採用。

M770系(2007年):

リア9～10速対応。カーボンコンポジットパーツの採用、シマノ・シャドー・リアディレイラーの登場、20ミリフロントハブ軸がラインナップに追加されました。

M780系(2012年):

リア10速対応。シマノ・シャドー・RD+の採用により、チェーン落ち防止機能が向上しました。Vブレーキ廃止。

M8000系(2015年):

リア11速対応。

M8100系(2019年):

リア12速対応。MICRO SPLINEとハイパーグライド+の採用、フロントトリプルの廃止、SLX M7100との互換性を実現しました。

Deore XT の名称の由来

Deore XTの名称については、シマノのDeoreシリーズにおける上位モデルとして「XT」が付けられています。「XT」が何を意味するのかは、公式には明かされていませんが、多くの推測がなされています。

まとめ

Deore XTは、長年にわたり進化を続け、常に高い性能と信頼性を提供してきたMTBコンポーネントです。軽量性、堅牢性、そして最新技術の融合は、多くのライダーを魅了し続けています。これからも、マウンテンバイクの世界において重要な役割を果たし続けるでしょう。

もう一度検索