シマノ・HONE

シマノHONE：オールマウンテン性能を追求したコンポーネント

シマノがかつて展開していたマウンテンバイク向けコンポーネント「HONE」は、型番M600番台で知られています。高い強度と信頼性を誇り、過酷な山岳環境での使用を想定した設計が特徴でした。特に、自力での登坂とダウンヒルをこなすオールマウンテンやエンデューロライドに最適化されており、多くのライダーから支持を集めました。

HONEの技術と特徴

HONEは、一般的なマウンテンバイクと共通する部分と、独自の特徴を併せ持っていました。ハブ軸は標準的な10mm径でしたが、リアハブとリアディレーラーはSAINTシリーズと同様の構造を採用。このため、Deoreシリーズとは互換性がありませんでした。これは、より過酷な状況下でも高い信頼性と耐久性を確保するための設計思想と言えるでしょう。

クランクセットには、シマノ独自のHOLLOWTECH2技術が採用されていました。中空構造とボトムブラケット一体設計により、軽量化と剛性の向上を両立。さらに、トリプルギアとダブルギアの2種類が用意され、ライダーの好みに合わせた選択が可能でした。ダブルギアタイプではアウターギアをバッシュガードに置き換えており、より過酷なオフロード走行にも対応できる仕様となっています。

スプロケットには、Deore LXシリーズの9速用を採用。変速性能の高さと信頼性の高さは、クロスカントリーレースにも対応できるレベルでした。全体として、HONEはDeore LXシリーズと同等の高級グレードに位置付けられていましたが、その強度と耐久性は、オールマウンテンやフリーライドといった過酷な使用条件下での使用を前提に設計されている点が大きな違いです。

販売終了とSLXシリーズ

2008年、シマノはオールマウンテン向けの新シリーズ「SLX」を発表しました。SLXシリーズも型番に600番台を使用していることから、HONEシリーズの後継と考えるのが自然です。SLXシリーズの登場により、HONEシリーズは販売を終了しました。SLXはHONEの優れた点を継承しつつ、更なる性能向上と洗練されたデザインを実現したシリーズと言えるでしょう。

まとめ：HONEの功績

HONEは、シマノがオールマウンテン/エンデューロという、当時まだニッチなジャンルだったマウンテンバイクシーンに本格的に取り組んだ重要なコンポーネントでした。その高い強度と信頼性、そして洗練された設計は、多くのライダーに支持され、後のSLXシリーズへと受け継がれていきました。HONEは、マウンテンバイクの歴史において重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

関連項目

マウンテンバイク
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