シャドウ オブ ローマ

シャドウ オブ ローマ（Shadow of Rome）

『シャドウ オブ ローマ』は、カプコンが開発したユニークなアクションアドベンチャーゲームで、古代ローマを舞台にしています。このゲームは、歴史的事件であるジュリアス・シーザーの暗殺の背後に隠された真実を探求する、二人の主人公アグリッパとオクタビアヌスの奮闘を中心に展開します。

ストーリーの背景

物語は紀元前44年に遡ります。この年の3月15日、ローマの英雄シーザーが暗殺されたという衝撃的な知らせが主人公・アグリッパの耳に届きます。彼は戦地で戦っている最中にこの不幸な出来事に見舞われ、急いでローマへ帰還します。ところが、彼がローマに着くと、シーザー暗殺の容疑をかけられたのは自分の父、ウェスニウスだったのです。父親を救うため、アグリッパは剣闘士として戦うことを決意します。

ゲームシステム

このゲームは、アグリッパとその親友オクタビアヌスの二人の視点を行き来しながら進行します。アグリッパが主に描かれる「戦闘パート」では、彼は剣闘士として闘技場で戦い、観客の期待に応える「サルボプレイ」によって武器やアイテムを手に入れます。アクションは多様で、殲滅戦やチーム戦、さらには戦車レースといった多彩なモードを楽しむことができます。

また、「潜入パート」ではオクタビアヌスが登場し、さまざまなアイテムを駆使して警備兵を欺いたり気絶させたりして、任務を達成する役割を担います。変装システムもあり、装備する衣装によって様々なアプローチが可能になります。この二つのパートを交代しながらプレイすることで、物語が進行し、深いストーリーが展開されます。

海外版と日本版の違い

ゲームの表現には、海外版と日本版で大きな違いがあります。海外版では残酷な欠損表現が含まれており、敵の手足を切断したり、その部分を武器として使用したりできます。一方、日本版ではそのような表現がなく、むしろ死体は一定時間経過後に消えます。これにより、各地域の文化や規制に適した内容が提供されています。

登場キャラクター

• - アグリッパ：主人公で、百人隊長を務める若き戦士。父を救うために剣闘士として戦う。
• - オクタビアヌス：アグリッパの親友で、シーザーの大甥。シーザーの死の真相を探る。
• - クラウディア：アグリッパに剣闘士としての道を薦める自由剣闘士の女性。
• - セクストス：剣闘士団の興行師で、クラウディアの兄。
• - キケロ：アグリッパの父をシーザー暗殺犯として告発した元老院の高官。
• - アントニウス：シーザーの右腕で後継者に選ばれた男。
• - マエケナス：アントニウスの秘書官で、元はシーザーの側近。
• - パンサ：オクタビアヌスを助ける年老いた協力者。
• - ウェスニウス：アグリッパの父で、シーザー暗殺の現場を目撃した。
• - ジュリアス・シーザー：ローマの英雄で、その死が物語の中心となる。

スタッフと開発背景

プロデュースを手がける稲船敬二と小野義徳は、ゲーム開発の過程で多くの挑戦を経験しました。特に、小野は当初、海外ゲームの影響を受けながら、日本国内での市場競争に勝つための新しいタイトルを生み出すことを目指していました。ローマをテーマにした理由として、映画『グラディエーター』がアカデミー賞を受賞した影響を受けたと語っています。

反響と評価

残念ながら、商業的にはあまり成功しなかったことを小野は認めています。その一因として、彼自身の信じる内容だけに依存していたことを挙げています。また、古代ローマへの関心が薄い地域が多い中、本作のテーマへの理解が不足していたことも反省材料です。しかし、ゲーム専門メディアでは、隠れた名作と評されることもあるなど、一部のファンからは高い評価を受けています。

『シャドウ オブ ローマ』は、古代ローマの歴史を舞台にした物語と多彩なゲームシステムを融合させ、プレイヤーに新たな体験を提供しています。

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