シャボン玉 (モーニング娘。の曲)

モーニング娘。19thシングル「シャボン玉」：時代を彩った一曲

2003年7月30日、モーニング娘。の19枚目のシングル「シャボン玉」がリリースされました。このシングルは、メンバー保田圭の卒業と6期メンバー（藤本美貴、亀井絵里、道重さゆみ、田中れいな）の加入という大きな転換期を経て発表された、グループにとって重要な作品となりました。

特に注目すべき点は、田中れいながメインボーカルを務めたことです。それまでのシングルとは異なる新たな息吹を感じさせる、彼女の魅力が存分に発揮された楽曲となっています。その初披露は、2003年6月29日放送の『27時間テレビ』のグランドフィナーレという、大舞台でした。数多くの視聴者の前で新体制のモーニング娘。を印象付ける、鮮烈なデビューとなりました。

「シャボン玉」は、つんく♂による作詞・作曲、そして、アレンジは高橋諭一が担当しています。ストリングスとホーンのアレンジは河野伸が手掛け、洗練されたサウンドに仕上がっています。また、前作「AS FOR ONE DAY」と共に、シルク・ドゥ・ソレイユのショー『キダム2003』のイメージソングにも起用されました。楽曲の世界観が、エンターテインメントの枠を超えて広く浸透していったと言えるでしょう。

楽曲の構成も魅力的です。特徴的な間奏のセリフは、当時メンバーだった石川梨華が担当しています。このセリフは、楽曲全体に独特の雰囲気を与え、聴くものの心に深く響きます。さらに、歌詞中には「向こう（あっち）」や「生活する（暮らす）」など、表記と読み方が異なる部分があり、独特の表現方法も用いられています。

「シャボン玉」は、モーニング娘。の楽曲の中でも特に人気が高く、長きに渡り歌い継がれてきました。2013年5月21日に行われた田中れいなの卒業公演では、ラストナンバーとして彼女自身によって熱唱されました。この時、石川梨華が担当していた間奏のセリフは、田中れいなが務めたことで、新たな感動を生み出しました。また、彼女の卒業公演に至るコンサートツアーでは、回替わりのソロ曲として披露され、彼女の歌唱力と楽曲への想いが凝縮されたパフォーマンスを見せてくれました。さらに、道重さゆみの卒業前、2014年10月放送の『MUSIC JAPAN』では、モーニング娘。'14としてパフォーマンスされました。この際には、道重さゆみが間奏のセリフを担当し、グループの歴史と継承を感じさせる演出となっています。

シングルには、カップリング曲として「涙にはしたくない」と、インストゥルメンタルバージョン「シャボン玉 (Instrumental)」が収録されています。このカップリング曲も、シングル全体の完成度を高める上で重要な役割を果たしています。

参加メンバーは、1期から6期まで、モーニング娘。の歴史を彩ってきたメンバーが勢ぞろい。それぞれの個性が融合した、まさにモーニング娘。の集大成ともいえる楽曲と言えるでしょう。そして、楽曲制作には多くのミュージシャンが参加し、その高い音楽性が証明されています。

「シャボン玉」は、『ベスト! モーニング娘。2』や『モーニング娘。 ALL SINGLES COMPLETE 〜10th ANNIVERSARY〜』といった、モーニング娘。の代表的なアルバムにも収録されており、その人気と歴史的価値の高さが改めて示されています。この楽曲は、単なる一曲ではなく、モーニング娘。の歴史、そして日本のポップミュージック史において重要な位置を占める作品と言えるでしょう。その魅力は、時代を超えて多くの人々の心を掴み続けています。

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