シャムコルの戦い

シャムコルの戦い

シャムコルの戦い（グルジア語：შამქორის ბრძოლა）は、1195年6月1日に、現在のアゼルバイジャン北西部に位置するシャムキル市近郊で発生しました。この戦闘は、イルデニズ朝の支配者であるヌスラト・アル＝ディン・アブ・バクルに率いられた軍隊と、グルジアのダヴィド・ソスランに指揮された軍との間で繰り広げられました。結果的に、グルジア軍が圧倒的な勝利を収め、戦局が大きく変わるきっかけとなりました。

戦いの背景

この戦闘が行われる前、イルデニズ朝では王朝戦争が繰り広げられていました（1191–1195年）。権力闘争に勝利を収めたアブ・バクルは、自身の兄であるイナンチ・カトゥンを暗殺し、弟のアミール・ミーランを強制的に追放しました。アミール・ミーランは、彼の義理の兄弟であるシルバンシャー・アフシタンの裁判所へ避難し、彼と共にグルジア王国の首都であるトビリシに援助を求めることになりました。

ここでシルヴァンの公認の擁護者であるタマル女王が出てきます。彼女の支援を受けたダヴィド・ソスラン率いるグルジア軍は、シルヴァンを救うための行軍を開始しました。

戦闘の詳細

1195年6月1日、シャムキルの要塞都市で、アブ・バクルは自身の軍勢を再編成し、イスラム教徒のアミールたちの援助を受けて、グルジア軍と対峙します。ダヴィド・ソスランは、可能な限りの戦術を駆使し、小規模な部隊を送り出して街の門を突破します。その後、グルジアの主力部隊が敵の後方を攻撃する形で戦闘が始まりました。

しかし、道路の状況や地形がグルジア軍にとって不利に働き、一時的に後退を余儀なくされました。アブ・バクルの軍は都市を一時的に防衛しましたが、ダヴィドの戦術の巧妙さが功を奏し、最終的にはイルデニズ朝の軍勢は壊滅的な敗北を喫しました。

結果として、後にグルジア軍はシャムキルを制圧し、さらに敵兵を追撃してガンジャ市をも奪取しました。

戦闘の結末

この戦いにより、グルジアは多くの捕虜を手に入れ、さらにタマル女王がハフリ修道院に寄付した戦利品も数多く得ました。シャムキルの奪取後、ダヴィドはガンジャへ進軍しました。ガンジャ近くに到着すると、当地の貴族や商人、科学者たちが彼を迎え入れは、門を開いて特別な歓待をしました。

ダヴィドはスルタンの王位に就き、盛大な集会を開くと共に、町の人々に「時間と曜日にふさわしい」祝宴を奉納しました。最終的に、シャムキル周辺の領土は、アミール・ミーランに引き渡される形で、グルジアの影響下におかれました。一方、アブ・バクルは自身の首都へと戻りますが、彼の兄のアミール・ミーランは毒殺されるという結末を迎えることになりました。

この戦いはグルジアとイルデニズ朝の関係において、大きな転機を象徴する重要な出来事であり、その後の歴史に影響を与えることとなるのです。

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