シャルル・ディドロ

シャルル＝ルイ・ディドロ

シャルル＝ルイ・ディドロ（Charles-Louis Didelot、1767年3月27日 - 1837年11月7日）は、フランス出身のバレエダンサーおよび振付家であり、特にロシア帝国における活動が著名です。彼の振付作品や教育がロシアのバレエに与えた影響は計り知れません。

生い立ちとキャリアの始まり

ディドロはストックホルムに生まれ、父も同名のシャルルはスウェーデン王室の舞踊教師でした。父の指導の下で舞踊を学ぶことにより、彼は若いころから芸術に興味を持つようになります。1786年にはストックホルムのBollhuset劇場で初舞台を踏み、その後、パリに移住し、振付家ジャン・ドーベルヴァルに師事しました。その後、彼は当時人気を博していたバレエ指導者ジャン＝ジョルジュ・ノヴェールのもとでさらなる技術を磨き、1788年にはロンドンでも舞台デビューを飾りました。

ロシアでの成功

1801年、ディドロはロシアの帝室劇場バレエ団からの招待を受け、サンクトペテルブルクで活躍し始めます。しかし、1806年には足の故障や、妻で花形バレリーナのローゼを失うなど、悲劇が彼の舞台活動に影響を与えることになりました。彼はその後、バレエの指導へとシフトし、ロシアにおけるバレエの発展に重要な寄与を果たしました。

1812年、ナポレオン戦争が勃発し、ディドロは一時的に帝室劇場を解雇され故郷へ戻りました。しかし、1816年に再びロシアに戻ると、1831年まで帝室劇場で活躍を続けました。彼の指導により、ロシアのバレエダンサーたちの技術は向上し、振付の才能もロシアの地で開花しました。特に、彼が育成したバレリーナ、アフドチア・イストミーナはその時代の名花として知られています。

同時代の国民的詩人アレクサンドル・プーシキンは、詩の中でディドロとイストミーナを称賛し、彼らの業績を広く知らしめました。

主な振付作品

ディドロは多くの振付作品を創作しましたが、その中には次のものがあります：

• - フロールとゼフィール（Flore et Zéphire、1796年、チェーザレ・ボッシ作曲、ロンドン）
• - Cupid et Psyche（1811年、カッテリーノ・カヴォス作曲）
• - Hensi et Tao（1819年）
• - Alceste（1821年）
• - カフカスの捕虜（Le Prisonnier du Caucase、1823年、カッテリーノ・カヴォス作曲）
• - Phaedra et Hippolytus（1825年）

最期と影響

ディドロは1837年、保養先であるキエフにて亡くなりました。彼の存在はロシアのバレエに大きな影響を及ぼし、現在「ペテルブルク派」と呼ばれるクラシック・バレエのスタイルを確立する基盤を築きました。彼の教え子たちは、ディドロの影響を受けた技術や表現力を受け継ぎながら、ロシアのバレエ界を発展させていくこととなります。

もう一度検索