シャルル3世 (モナコ公)

シャルル3世（1818年12月8日 – 1889年9月10日）は、1856年から1889年までモナコ公として国を統治しました。彼の治世は、モナコが近代的なリゾート国家へと変貌を遂げる重要な時期でした。

シャルル3世は、先代フロレスタンの長男として生まれました。彼の治世初期には、モナコは領土問題を抱えていました。1861年、マントンとロクブリュヌが自由都市としてモナコからの離脱を宣言し、これを受けてシャルル3世はこれらの地域をフランスに割譲しました。この決断は、モナコがサルデーニャ王国からの独立を達成し、独立国としての主権を確立するための重要な一歩となりました。

領土の喪失は、モナコに新たな財源の確保という課題をもたらしました。シャルル3世は、当時まだ「スペルゲス」と呼ばれていたモナコ近郊の土地に注目しました。彼は、地中海性気候という恵まれた自然条件を生かし、この地を高級リゾート地として開発する可能性を見出しました。そのために、彼はカジノの経営を許可するという大胆な決断を下しました。このカジノは、瞬く間に富裕層を惹きつけ、モナコに巨額の収入をもたらしました。

カジノと観光収入の増加により、モナコは税制改革を行うことができました。シャルル3世の時代から、モナコ国民は税金を納める必要がなくなり、これはモナコの大きな特徴の一つとなりました。彼は、モナコを経済的に自立した国家へと導いたのです。

シャルル3世の功績を称え、カジノを中心とした地域は現在「モンテカルロ（シャルルの山）」と呼ばれています。モンテカルロは、高級ホテル、レストラン、ブティックが立ち並び、世界中の観光客を魅了する場所となりました。シャルル3世は、モナコを単なる小国から、世界的に有名なリゾート地へと変貌させた人物として、歴史に名を刻んでいます。

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