シャンプレーン級中型揚陸艦

シャンプレーン級中型揚陸艦：フランス海軍の多目的輸送艦

シャンプレーン級中型揚陸艦は、フランス海軍が運用する軽輸送艦の艦級です。BATRAL（Bâtiment de Transport Léger）計画として開発され、フランスの海外領土における兵員や物資の輸送を主な任務としています。

設計と能力

この艦級の最大の特徴は、その高い輸送能力と効率的な揚陸システムにあります。艦首は海岸に接岸（ビーチング）できる設計となっており、艦首部に設置されたバウ・ドアとバウ・ランプ（耐荷重40トン）を通じて、兵員や車両を直接揚陸することができます。

設計当初から、歩兵中隊戦闘群1個とその装備車両の輸送・揚陸能力が求められていました。具体的には、将校、下士官、兵士合わせて約138名と、装甲車6両、トラック6両といった12両の車両を搭載可能です。搭載できる車両総重量は330トンにも及び、さらに208トンの飲料水を搭載できます。

大型車両の揚陸はバウ・ランプを使用しますが、10トンクレーンも搭載されているため、より柔軟な貨物輸送が可能です。3番艦以降の改良型では、居住区の拡張（180名収容）と艦橋構造物の増層が行われ、兵装は40mm機銃から20mm機銃に変更されました。

上陸用舟艇として、LCVPおよびLCPを各1隻搭載。また、ヘリコプター甲板を備え、アルエットIIIヘリコプター1機の運用に対応しています。これにより、様々な状況下における迅速かつ柔軟な作戦遂行能力が確保されています。

配備と輸出

シャンプレーン級中型揚陸艦は、フランス海軍で広く運用されている他、海外への輸出も成功しています。チリ、コートジボワール、モロッコ、ガボン海軍でも同型艦が活躍しており、その汎用性と高い信頼性が国際的に評価されていることを示しています。

まとめ

シャンプレーン級中型揚陸艦は、ビーチング能力、クレーン、ヘリコプター甲板などを備えた多機能輸送艦です。兵員や車両の効率的な揚陸、様々な貨物の輸送、ヘリコプターによる支援など、幅広い任務に対応できる設計となっています。フランス海軍の海外展開における重要な役割を担っており、海外諸国への輸出実績からも、その高い性能と信頼性が証明されています。 将来的な近代化改修や、さらなる改良型が登場する可能性も期待されます。

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