シャ・ノワールのしっぽ

『シャ・ノワールのしっぽ』は、さいとうちほによる日本の漫画作品です。2005年から2006年にかけて小学館の漫画雑誌『プチコミック』に掲載された3つの短編を収録しています。これらの短編は、偶然にも兄弟姉妹が重要な役割を果たす物語で構成されています。

収録作品

シャ・ノワールのしっぽ
『プチコミック』2005年11月号に掲載された物語です。母から受け継いだフランス料理店「シャ・ノワール」を切り盛りする三姉妹、撫子、牡丹、小豆が主人公です。ある日、店にやってきた客が料理に文句をつけ、逆上したところを、謎の男が助けます。その男は言葉を発しませんが、亡くなった兄に似ていたことから、三姉妹は彼を「ときちゃん」と名付け、一緒に暮らすことにします。

三日月のブレス
『プチコミック』2005年4月号に掲載された物語です。母を亡くし、恋人の翼との結婚を間近に控えた美月が主人公です。母の葬儀の日、連絡が途絶えていた美月の元恋人で、翼の兄である朔が突然帰国します。美月と翼の結婚に反対する朔の真意が描かれています。複雑な人間関係の中で、それぞれの想いが交錯する様子が描かれています。

ジェミニ
『プチコミック』2006年5月号に掲載された物語です。双子の姉妹である萌と恵麻が主人公です。性格は正反対ですが、二人はとても仲が良いです。男好きで飽きっぽい萌は、次々と恋人を変え、その度に男嫌いの恵麻が萌の振りをして別れを告げていました。しかしある日、恵麻が萌のふりをしていることを見破る男性が現れ、恵麻の心は揺れ動きます。双子ならではの複雑な感情や、それぞれの恋愛観が描かれています。

書誌情報

さいとうちほ『シャ・ノワールのしっぽ』小学館〈フラワーコミックス〉2006年6月26日発売、ISBN 4-09-130495-8

「シャ・ノワールのしっぽ」に登場する黒猫シャールは、作者さいとうちほの飼い猫がモデルとなっています。この作品は、それぞれの物語で異なる人間関係が描かれながらも、どこか温かさを感じる作品です。さいとうちほの繊細なタッチと、登場人物たちの心情が丁寧に描かれており、読者の心に深く残る作品です。

もう一度検索