シャーロック・ホームズ博物館

ロンドンの名所、シャーロック・ホームズ博物館

ロンドン中心部、ベーカー街に位置するシャーロック・ホームズ博物館は、世界的に有名な探偵、シャーロック・ホームズをテーマにした私設博物館です。1990年にオープンして以来、多くのファンを魅了し続けています。

ホームズの住まいを再現した博物館

博物館は、1815年築のジョージアン様式のタウンハウスを使用しています。この建物は、1860年から1936年まで下宿屋として利用されており、ホームズとワトソンが、家主であるハドスン夫人の下宿に住んでいたとされています。博物館では、小説の世界観を忠実に再現するため、当時の様子を丁寧に再現しています。建物の建築的・歴史的価値から、政府によって第2級指定建築物に登録されています。

多彩な展示

館内には、ホームズを題材とした様々な作品に関連する品々や、1984年のグラナダTVシリーズ『シャーロック・ホームズの冒険』のセットを再現した展示など、見どころが満載です。来館者は、小説やドラマで見たホームズの世界に没入し、その魅力を再発見できるでしょう。ホームズとワトソンの生活空間の再現はもちろんのこと、数々の事件で活躍した探偵道具の数々や、彼らを取り巻く人物関係に関する資料なども展示されています。

住所をめぐる論争：221Bの謎

博物館が位置する建物は、実際にはベーカー街237番と241番の間にあるものの、ウェストミンスター市の許可を得て「221B」の番地を使用しています。この番地をめぐっては、長年に渡り近隣の銀行との間で論争がありました。1930年代から、ホームズ宛ての郵便物が近隣の銀行に届けられており、銀行は特別な秘書を雇って郵便物を処理していました。博物館は、これらの郵便物を博物館に届けるよう訴え続けましたが、2002年に銀行が移転したことで、ようやく問題が解決しました。現在では、ホームズ宛ての郵便物はすべて博物館に届けられています。

コナン・ドイル氏の娘の反応

アーサー・コナン・ドイルの娘、ジーン・コナン・ドイルは、この博物館について当初は否定的でした。架空の人物であるホームズを実在の人物のように扱うことに懸念を抱き、博物館の存在がその誤解を助長することを危惧していました。建物の外に設置された記念プレートが、その誤解を強めているとも考えていました。しかしながら、彼女はスイスのシャーロック・ホームズ博物館の開館セレモニーには出席しており、完全に反対していたわけではありませんでした。また、ロンドンに父親のための特別な展示室を作る申し出も断っています。

博物館を訪れて

シャーロック・ホームズ博物館は、単なる博物館ではなく、小説の世界を体感できる場所です。ホームズファンならずとも、その魅力的な空間と展示は、忘れられない体験となるでしょう。小説の世界観を忠実に再現した館内を散策し、名探偵ホームズの足跡を辿る旅に出かけてみてはいかがでしょうか。ロンドンを訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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