シャ乱Qの演歌の花道

映画『シャ乱Qの演歌の花道』

『シャ乱Qの演歌の花道』（シャランキューのえんかのはなみち）は、日本のコメディ映画で、1997年8月30日に公開されました。フジテレビの制作によるこの作品は、当時人気を誇っていた音楽バンド・シャ乱Qが総出演することでも話題になりました。監督は滝田洋二郎が担当し、同時上映されるのは『CAT'S EYE キャッツ・アイ』でした。また、2007年には韓国で『覆面ダルホ』というタイトルでリメイクされています。

あらすじ

映画の中心となるのは、大阪の不人気ロックバンドのボーカル、天草乱之介。彼は、バンドメンバーと共にアルバイトをしている際、人気演歌歌手の黒井ひでととのコンサートで思いがけず東京の芸能プロダクションにスカウトされます。しかし、訪れたプロダクションは彼の期待とは裏腹に、実際には力のない小さな事務所でした。が、疎ましい状況にもかかわらず、成り行きで演歌歌手としてデビューすることになりました。

新たな世界での波乱が待つ中、彼は演歌界の大物、鳴門大輔の豪邸に無理に連れて行かれ、そこで出会った鳴門の娘・珠美に恋をします。彼は演歌歌手としてデビューを承諾し、黒井の付き人となることに。しかし、過去の失敗の中で彼の運命は大きく変わっていくことになります。

出演した音楽番組で、覆面を被って登場したことで予想外の反響を呼び、天草は演歌歌手「覆面太郎」として知られるようになります。瞬く間に人気を集めるも、事務所の先輩である岬一郎に自身がバンド時代から作り続けていた曲「いいわけ」を譲ったことで、やがてとんでもないトラブルを引き起こすことになります。

特徴と音楽

映画の特徴として、劇中に登場する楽曲はすべてシャ乱Qのメンバーによって作られており、黒井が歌う「男の人生」や岬一郎の「しんぼう峠」、天草の「虹色橋」などがそれに該当します。特に「虹色橋」は、後に他のアーティストによってもカバーされることになりました。また、つんくがこの映画で演技し日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞するなど、バンドメンバーたちは俳優としても地位を確立する機会を得ました。

映画の公開前には、サウンドトラックも販売され、多くのファンに楽しさを提供しました。収録曲には「男の人生」や「いいわけ-演歌バージョン-」が含まれ、現在でもテレビ番組などでしばしば使用されています。

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