シュガーベイビー

シュガーベイビー（Sugar Baby）

「シュガーベイビー」とは、主に経済的な援助や保証を得ることを主な目的として、特定の種類の相互利益的な関係を築く人々を指す言葉です。このような関係におけるパートナーは、「シュガーダディー（Sugar Daddy）」と呼ばれる年上で経済的に余裕のある男性、あるいは「シュガーママ（Sugar Mama）」と呼ばれる同様の立場にある女性であることが一般的です。

この形態の関係性は世界的に広がりを見せており、特にアメリカ合衆国での増加が顕著です。それに続き、カナダ、イギリス、オーストラリア、コロンビアといった国々でも同様の傾向が見られます。

特にアメリカでは、大学生の間でシュガーベイビーとして活動するケースが多く見られます。こうした人々は、Mysugardaddy、Sugardaters、Sugardate、Sugardaddie、SeekingArrangement、SugarDaddyForMe、MutualArrangementsなどのオンライン出会い系プラットフォームを利用して、自身を経済的に支援してくれるパートナーを探します。ある有名なサイトによれば、登録メンバーの半数近く、具体的には42パーセント以上が学生であり、そのうち約100万人がアメリカ国内にいるとされています。

こうしたプラットフォームを通じて得られる経済的な支援は、シュガーベイビーにとって学費や生活費を賄う上で重要な役割を果たしています。前述のサイトによれば、シュガーベイビーが受け取る金額の約36パーセントが学費に充てられ、約23パーセントが家賃の支払いに使われています。残りの資金は、教材費、交通費、被服費、その他の個人的な支出に利用されることが多いようです。ただし、シュガーベイビーとして活動するのは学生に限らず、高齢者の中にもこうした関係を求める人々が見られます。

シュガーベイビーとパートナーを結びつけるオンラインサイトは、技術的には出会い系サイトとして機能しています。これらのサイトの多くでは、経済的な支援を行う側の「シュガーパパ」や「シュガーママ」に対しては会費が発生する一方、支援を受ける側の「シュガーベイビー」は無料で利用できる料金体系が一般的です。例えば、2016年のあるサイトでは、シュガーパパの月額会費が約70ドルと設定されていました。

サイト側は、最初の出会い以降の関係性、例えば契約の成立の有無や、性的な関係が含まれるかどうかなど、当事者間の個人的な事柄には関与しない姿勢をとっています。しかしながら、現実には、望まない形を含む性的な行為を伴うケースも存在するため、シュガーベイビーが実質的にセックスワーカーと見なされてしまう場面も見受けられます。

アメリカ合衆国では、2018年にオンライン上での性的人身取引を防止するための法律、具体的にはオンライン性的人身売買防止法（FOSTA）と性的人身売買防止法（SESTA）が成立しました。これにより、Craigslistのような主要な広告掲載サイトは、シュガーデートに関連するサイトを含む、出会い系サイトの広告掲載を取りやめざるを得なくなりました。

このような関係性は、単なる恋愛や友情とは異なり、経済的な側面が明確に結びついた特殊な人間関係の形と言えます。

もう一度検索