シュガーランド

シュガーランドは、アメリカ合衆国のカントリーミュージックシーンで活躍する人気のデュオです。その中心は、パワフルなボーカルと作曲能力を持つジェニファー・ネトルズと、バックボーカル、マンドリン、ギター、ハーモニカなどを操るマルチプレイヤーのクリスチャン・ブッシュ。

グループの始まりは2002年。クリスチャン・ブッシュとクリステン・ホールが結成し、後にリードシンガーとしてジェニファー・ネトルズが加わってトリオとして活動を開始しました。しかし、結成から3年後の2005年にはホールの脱退があり、シュガーランドは現在のデュオ体制となりました。

彼らは2004年にレコード会社マーキュリー・ナッシュビルと契約を結び、その年の後半にデビューアルバム『Twice the Speed of Life』をリリースしました。このアルバムはプラチナ認定を受ける成功を収め、特にシングルカットされた「Baby Girl」が注目を集めました。2006年にはセカンドアルバム『Enjoy the Ride』を発表。この作品は、シュガーランドにとってアメリカでの初めてのナンバーワンヒットとなった「Want To」や「Settlin'」といった曲を生み出しました。また、アルバム収録曲の「Stay」はグラミー賞のデュエット部門で受賞するなど、彼らの実力と人気を不動のものとしました。続く2008年にはサードアルバム『Love on the Inside』をリリース。このアルバムからも、「All I Want to Do」、「Already Gone」、「It Happens」といった3曲が全米カントリーチャートで首位を獲得し、彼らのヒットメーカーとしての地位を確固たるものにしました。2010年10月19日には、通算4枚目となるスタジオアルバム『The Incredible Machine』がスタンダード版とデラックス版で同時に発売されています。

シュガーランドの全米カントリーチャート1位シングルには、以下のような楽曲があります。

「Want To」 (2006年, 2週間1位)
「Settlin'」 (2007年)
「All I Want To Do」 (2008年)
「Already Gone」 (2009年)
* 「It Happens」 (2009年, 2週間1位)

輝かしいキャリアを築く一方で、シュガーランドは予期せぬ悲劇にも見舞われました。2011年8月13日、インディアナ・ステート・フェアでの彼らのコンサートを前に、強風が野外ステージを襲い、照明トラスやスピーカーマウントが倒壊するという事故が発生しました。この痛ましい事故により、5名が犠牲となり、45名以上が負傷しました。メンバーのジェニファー・ネトルズとクリスチャン・ブッシュは無事でしたが、事故後すぐにツイッターを通じてファンやインディアナポリスの人々への祈りを捧げ、「私たちは無事ですが、ファンやインディアナポリスの人々のために祈っています。皆さんも一緒に祈ってくれることを願います。彼らはあなたの力を必要としています」とメッセージを発信しました。この事故を受け、彼らは翌日、8月14日にアイオワ・ステート・フェアで予定されていたコンサートを中止することを決定しました。この出来事は、彼らのキャリアにおいて非常に辛い経験となりましたが、それでも彼らは音楽活動を続けています。

シュガーランドは、その独特のサウンドと心に響く歌詞で、カントリーミュージック界において重要な存在感を放ち続けています。

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