ショーギ・エフェンディ

ショーギ・エフェンディ:バハイ信教の守護者



ショーギ・エフェンディ(1897年3月1日 - 1957年11月4日)は、バハイ信教における重要な歴史的人物であり、アブドル・バハの孫として、彼の後継者である初代「神の大業の守護者」に指名されました。1921年から1957年に永眠するまでの36年間、彼はバハイ信教の最高指導者としての重責を担いました。

生涯と背景



オスマン帝国領アッカで生まれたショーギ・エフェンディは、父方を通じてバブ、母方を通じてバハオラという、バハイ信教の中心的人物たちと血縁関係にありました。幼少期はアッカ、ハイファ、ベイルートで学び、この頃からバハイたちが直面する迫害や困難を目の当たりにしました。彼はアブドル・バハの個人的な秘書や翻訳者としても活躍し、1918年にはシリア・プロテスタント・カレッジで美術の学位を取得しています。その後、オックスフォード大学バリオール・カレッジで政治学と経済学を学びますが、アブドル・バハの死去に伴い、わずか24歳で守護者に任命され、学業を中断しました。

幼い頃からアブドル・バハはショーギ・エフェンディに深い愛情と敬意を示し、彼の成長に大きな影響を与えました。アブドル・バハは彼に祈りを教え、他の信者にも「ショーギ」と呼び捨てにせず、「ショーギ・エフェンディ」と敬称をつけて呼ぶよう促しました。「エフェンディ」とは、英語の「Sir」に相当する敬称です。

守護者としての偉業



ショーギ・エフェンディの指導下で、バハイ信教は飛躍的な発展を遂げました。彼は数多くの国際的な布教計画を策定し、新しい国々への信仰の拡大を指揮・監督しました。彼の守護者就任時、比較的発展途上であったバハイ共同体は、彼の献身的な努力によって強固な基盤を築きました。全国精神行政会地方精神行政会といった行政組織が確立され、共同体の運営体制が整備されました。

彼の最も顕著な業績の一つは、バハイ信教の中心的な聖典の翻訳と解釈です。バハオラの著作を含む多くの重要文書を英語に翻訳し、これらの翻訳は将来の翻訳作業の指針となりました。また、彼はバハイの書物に対する「権威ある解釈者」としての役割を担い、信仰の教義や原則の理解を深めました。

ショーギ・エフェンディは、世界中のバハイ共同体に対し、主にペルシャ語と英語で17,500通以上にも及ぶ手紙を送りました。これらの手紙には、共同体への具体的な指示、活動の進捗状況の把握、中東での迫害への対応、教育活動の調整などが含まれていました。特に「バハオラの世界秩序」「神の正義の到来」などの長文の手紙は、バハイ行政の性質や布教の重要性といったテーマを深く論じており、信仰の教えや歴史、原則、行政、法に関する重要な声明を含んでいます。これらの手紙の多くは後に編集され、バハイたちの貴重な引用文献となっています。

バハイ世界センターと拡大



彼はまた、イスラエルのアッカおよびハイファ地域におけるバハイ世界センターの建設と整備に尽力しました。バブの廟の上部構造や国際アーカイヴスの建設を監督し、バハオラの廟があるバージの庭園美化を進めました。世界各地に大陸礼拝堂を建設するための計画も推進されました。

彼の指導期間中に、バハイ共同体の数は目覚ましく増加しました。1935年の1,034地域から、1953年には2,700地域、そして彼の計画が継続された1963年には14,437地域へと拡大しました。これは、彼の systematic な布教計画「十年計画」(1953-1963、万国正義院設立を最終目標とする)の成果でもあります。

守護者の制度と自身の認識



「守護者」の制度は、アブドル・バハの遺訓によって明確に導入されました。これは、バハオラの男系子孫の中から選ばれる世襲制の指導者であり、万国正義院の長として信仰の宣布と保護、教義の解釈といった重要な権限を持ちます。しかし、ショーギ・エフェンディ自身は、自分が守護者に任命されるとは全く予想していなかったと述べています。

彼は自身の立場について非常に謙虚であり、自身や将来の守護者がアブドル・バハと同等に見られたり、聖人視されたりすることを強く戒めました。誕生日を祝うことや写真を飾ることを望まず、手紙では常に自分を「兄弟」「同じ仕事仲間」と呼びました。

没後



1957年のショーギ・エフェンディの永眠後、守護者の任務は暫定的に「大業の翼成者」と呼ばれる高位の信者たちによって引き継がれました。そして1963年には、選挙によって選出された万国正義院のメンバーに、バハイ信教の国際的な権威が継承されました。これにより、アブドル・バハの遺訓で定められていた二つの主要な機構の一つである万国正義院が完全に機能する運びとなりました。

ショーギ・エフェンディは、バハイ信教が現代の世界でその使命を果たすための強固な行政基盤と霊的な指針を確立した指導者として記憶されています。

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