シロメ

ホラー映画『シロメ』：アイドルと廃校の恐怖

2010年8月13日、日本の映画界に衝撃的なホラー作品が誕生しました。その名も『シロメ』。アイドルグループ・ももいろクローバー（現ももいろクローバーZ）の6人が映画初出演・初主演を務めた本作は、廃校を舞台にしたフェイク・ドキュメンタリー形式のホラー映画です。

本作の監督は、『ノロイ』や『口裂け女』などの作品で知られる白石晃士氏。白石監督の手腕により、作品全体に張り詰めた緊張感が漂っています。特に、撮影においてももいろクローバーには映画撮影であることを伏せ、架空のテレビ番組の収録だと偽って撮影が行われたというエピソードは、映画のリアリティを高める上で重要な要素となっています。

物語は、都市伝説として語り継がれる謎の化け物「シロメ」が棲むという廃校に、テレビ番組の収録のためももいろクローバーが訪れるところから始まります。彼女たちが次々と超常現象に遭遇する様は、アイドルの可憐なイメージとは対照的な恐怖を観客に突きつけます。キャッチコピーである「リアルが恐怖を超え、異色の最驚ホラー感動作が誕生！」は、この作品が持つ独特の雰囲気と、アイドルグループ主演という異色の組み合わせを見事に表現しています。映倫指定はGで、公開日が13日の金曜日であることも、作品の世界観をさらに際立たせています。

映画公開を記念し、ももいろクローバーは全国11箇所の劇場を巡る舞台挨拶を実施。同時に「全国行脚二〇一〇・夏スタンプラリー」も開催され、各地の劇場を巡ってスタンプを集めるとプレゼントが贈呈されるという企画も話題を呼びました。主題歌には、ももいろクローバーの楽曲『ココ☆ナツ』が起用され、映画全体の雰囲気を盛り上げています。

キャストにはももいろクローバーのメンバー6名に加え、怪奇サークル「とうもろこしの会」の会長と副会長、浄霊師、霊能者といった個性的なキャラクターが登場します。彼らが織りなす人間ドラマも、映画の恐怖をさらに増幅させる要素となっています。スタッフ陣も、監督・脚本・編集を務めた白石晃士氏をはじめ、実力派のスタッフが名を連ねています。

さらに注目すべきは、「シロメ」プロジェクトパートナーズ（SPP）の存在です。これは、映画製作支援のための一般公募会員制度で、2万円からの出資で会員になることができ、エンドロールへの名前掲載や宣伝会議、打ち上げパーティーへの参加、非売品DVDの配布といった特典が用意されていました。この画期的な資金調達方法は、映画制作における新しい可能性を示唆するものと言えるでしょう。

『シロメ』は、アイドルとホラーという一見相反する要素を融合させた、異色のホラー映画です。アイドルファンの枠を超え、多くの観客に強烈な印象を与えた本作は、日本映画史に新たな1ページを刻んだと言えるでしょう。現在でも、その独特の雰囲気と、アイドルの意外な一面を見ることができる作品として、多くのファンから支持されています。allcinemaやKINENOTEなどの映画情報サイトでも紹介されているので、興味を持った方はぜひチェックしてみてください。

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