シンガポールとブルネイの関係

シンガポールとブルネイの二国間関係

シンガポールとブルネイは、1984年の国交樹立以来、非常に友好的な関係を築いています。両国は共にイギリス連邦の加盟国であり、その関係性を象徴するように、外交使節として「高等弁務官」を相互に交換し、それぞれの首都に高等弁務官事務所を設置しています（これは実質的に大使と大使館に相当します）。両国間の協力は多岐にわたり、特に防衛分野では緊密な連携が見られます。また、両国は共にASEAN（東南アジア諸国連合）の加盟国であり、地域における協力関係の推進にも積極的に取り組んでいます。

歴史的背景

1984年の国交樹立後、両国間の関係は着実に発展してきました。2012年には、ブルネイ国王ハサナル・ボルキアがシンガポール・エアショーのためにシンガポールを訪問し、当時のシンガポール首相リー・シェンロンおよび元首相リー・クアンユーと会談しました。この会談は両国関係の重要性を改めて示すものでした。また、同年にはシンガポールの閣僚テオ・チーヒエンがブルネイを訪問するなど、両国間の要人往来も活発に行われています。

貨幣・経済関係

経済面では、両国間に複数の了解覚書が交わされており、特に注目すべきは通貨に関する合意です。シンガポール・ドルとブルネイ・ドルは、価値が等価であるだけでなく、両国間で相互に流通が認められています。この通貨の相互利用は、両国間の経済活動を円滑にする上で非常に重要な役割を果たしています。

防衛協力

防衛面では、両国間で広範な協力体制が確立されています。過去には、シンガポール軍がブルネイ軍の訓練を支援したことがあり、その見返りとして、ブルネイはシンガポール軍の訓練地として自国の密林を提供しています。この相互協力関係は、両国間の信頼と連携を深める上で非常に重要です。また、1994年からは、王立ブルネイ空軍とシンガポール共和国空軍が参加する防空演習が定期的に実施されており、両国の防衛協力の象徴となっています。

両国は、歴史、文化、経済、そして安全保障といった多岐にわたる分野で協力を深めており、その良好な関係は、東南アジア地域における安定と発展に大きく貢献しています。

もう一度検索