シングルBOX

シングルBOX (シングルボックス)

『シングルBOX』は、日本のシンガーソングライター鬼束ちひろのシングルCDを収めた特別なCD-BOXパッケージです。この作品は2004年3月17日に発売され、彼女のデビューシングル「シャイン」から、東芝EMIに在籍していた最後のシングル「私とワルツを」までを一纏めにしたものが特徴です。このパッケージには、オリジナルのCD盤に比べて品番が異なり、帯が付属していないという点を除けば、楽曲の内容はそのままです。ただし、「いい日旅立ち・西へ」だけはCCCD仕様で収録されています。

この『シングルBOX』は初回限定生産品であり、特定の店舗では購入者特典としてオリジナルのCDキャリングケースがプレゼントされることもありました。商品名義上は「鬼束ちひろスプリングキャンペーン」の一環としてリリースされましたが、発売の意図や背景には複雑な事情がありました。

当初、彼女の4thアルバム（品番TOCT-25310）と、「Sign」から「私とワルツを」までのプロモーションビデオを収録したDVD（品番TOBF-5300）の同時リリースが計画されていました。しかし、制作上の問題によりそれらは中止され、『シングルBOX』が代わりに発売されることとなりました。この経緯もあって、鬼束自身は発売に関与しておらず、Virgin TOKYOのレーベルサイトや彼女のオフィシャルサイトには、リリースに対する彼女の意向でないことを明らかにする声明が発表されています。さらに、2008年の『papyrus』のインタビューにおいても、契約上の問題から発売に同意したものではないとのコメントを残しています。

音楽面では、『シングルBOX』には多くの名曲が収録されています。特に、デビューシングル「シャイン」は鬼束のキャリアのスタートを象徴する楽曲であり、続く「月光」や「Cage」なども、彼女の独自の音楽スタイルを示す力強いトラックです。さらに、収録曲の中には「流星群」や「Beautiful Fighter」といった人気の高い曲も含まれており、リスナーにとっては鬼束の音楽の多様性を楽しむ貴重な機会となっています。

なお、ボックス仕様で発売されたことから、この作品はオリコンではシングルチャートではなくアルバムチャートの範疇で扱われることになります。鬼束ちひろの魅力を凝縮した『シングルBOX』は、彼女の音楽を深く知るための大切なアイテムといえるでしょう。

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