シンフォニー・エックス

シンフォニー・エックス（Symphony X）

シンフォニー・エックスは、アメリカのニュージャージー州を拠点に活動するプログレッシブ・メタルバンドです。彼らは1980年代のネオクラシカルメタルの流れを汲む第2世代のバンドとして知られており、日本では早くから注目を集め、その後欧米においても名声を得ています。

歴史

初期の軌跡

バンドは1986年、マイケル・ロメオ（ギター）とコリー・ブライスが結成した「Gemini」に始まります。ブライスが新たなバンド結成を決意し、1991年春に「Phantom's Opera」と改名したものの、メンバー間の確執により再編成が必要となりました。結果として、1994年にロッド・タイラー（ボーカル）、マイケル・ピネーラ（キーボード）、トーマス・ミラー（ベース）、ジェイソン・ルロ（ドラムス）といったメンバーが揃い、新たに「シンフォニー・エックス」として活動を始めたのです。

1990年代の成長

1994年には、自己名義のデビューアルバム『シンフォニー・エックス』を発表。その後、タイラーが脱退し、ラッセル・アレンがボーカリストとして加入しました。1996年の3rdアルバム『ザ・ディヴァイン・ウィングス・オブ・トラジディ』はアメリカ国内での評価は低かったものの、印象的な音楽性でファンの心を掴みました。1998年の初来日公演とワールドツアーを経て、彼らの人気は急上昇し、以後安定した活動につながっていきます。

2000年代の展開

2000年にリリースされた5thアルバム『ファイヴ-新・神話組曲』は、彼らにとって初のコンセプトアルバムであり、その後のツアーは大成功を収めました。フランスでの公演はライブアルバム『ライヴ!!イン・ヨーロッパ 2000-2001』として記録され、ファンから評価されました。その後も、他のバンドとのコラボレーションや多様なプロジェクトを通じて活動を広げました。

2010年代とその後

2011年には8thアルバム『アイコノクラスト』が登場し、さらなる進化を遂げました。2014年には来日公演の予定がありましたが、スケジュールの都合でキャンセルとなるなど、波風もありました。しかし、2015年には9thアルバム『アンダーワールド』がリリースされ、翌年には再び来日を果たすなど、根強いファンを持つバンドとしての地位を確立しています。

現メンバーと旧メンバー

現在のメンバー構成は、ラッセル・アレン（ボーカル）、マイケル・ロメオ（ギター）、マイケル・レポンド（ベース）、マイケル・ピネーラ（キーボード）、ジェイソン・ルロ（ドラムス）となっています。特にロメオはバンドの中心人物として、楽曲制作やステージでのパフォーマンスにおいて重要な役割を果たしています。一方で、旧メンバーには短期間で脱退したロッド・タイラーやトーマス・ミラーなどがいますが、彼らの影響もその後の音楽活動に色濃く残っていると言えるでしょう。

ディスコグラフィ

シンフォニー・エックスは、数多くのスタジオ・アルバムやライブ・アルバムをリリースしてきました。例えば、1994年の『シンフォニー・エックス』、2002年の『ジ・オデッセイ』、2007年の『パラダイス・ロスト』などが代表作として挙げられます。また、1998年にはベストアルバム『プレリュード・トゥ・ザ・ミレニアム』も日本先行発売され、多くのファンを感動させました。

シンフォニー・エックスは今後もその独自の音楽性と技巧で、さらなる活躍が期待されるバンドです。

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