シークレット・チルドレン

シークレット・チルドレン

概要

『シークレット・チルドレン』（The Secret Children）は、中島央が監督・脚本・製作を務めた近未来SFドラマ映画です。この作品は、2014年5月10日に日本国内で劇場公開されました。

物語の舞台は、深刻な人口減少に見舞われた近未来の先進国X。この国では、約36年前に人口問題への対策として、秘密裏に3万人ものクローン人間が生み出されていました。以来、人間とクローンは共存してきましたが、その平和的な関係は突如として脅かされることになります。

あらすじ

事態が暗転するきっかけは、強権的な思想を持つブルームクイストが新たに大統領に就任したことでした。彼は政権の座に就くとすぐさま「クローン監視委員会（CMC）」を発足。この組織を使い、国内に存在するすべてのクローンを捕獲し、廃絶するという非人道的な政策を断行します。

国家による一方的な抹殺の対象となったX国内の3万人のクローンたちは、生き延びるために国中のあらゆる場所へと逃亡を図ります。しかし、CMCの捜査官たちは非常に執拗に彼らを追い詰め、発見されたクローンたちは次々と捕らえられ、無残にも殺害されていきます。

自分たちの存在そのものが否定され、絶滅の危機に直面したクローンたちは、この過酷な状況を生き抜くため、それぞれが異なる策略を練り始めます。

物語の中心となるのは、幼馴染であるクローンのカップル、セドリックとソフィアです。彼らは政府の弾圧に対し、非暴力による抵抗組織を結成。仲間のクローンたちを救出し、安全な秘密の隠れ家に匿うことで、できるだけ多くの命を守ろうと活動します。

一方、人間の社会で大富豪として成功しているマックスは、セドリックとソフィアの活動に賛同し、彼らの抵抗運動を資金面から密かに支援する存在となります。

また、クローンである自らの宿命を深く呪っているギルは、何とかして人間になる方法を見つけ出そうと孤独な探求を続けます。

セドリックとソフィアたちの行動に触発されたクローンの一人であるランスは、政府の暴力的なクローン廃絶の実態を世に知らしめるため、危険を顧みずマスコミに接近します。

そして、人間のふりをして日々を戦々恐々と過ごしているクローンのカールもまた、人間である恋人との関係を維持しようと、内面的な葛藤を抱えながら苦悩していました。

クローン監視委員会による大規模な捜索活動が激化し、多くのクローンたちが犠牲となり、命を失っていく悲劇が続く中で、セドリックとソフィアは、この絶望的な状況を一変させるための最後の秘策、一か八かの賭けに出るのでした。

キャスト

セドリック：オーガスト・コリエル
ソフィア：ジェイミー・ベルナデッテ
マックス：アリ・デ・ソーサ
ギル：サイモン・ソロズ
ブルームクイスト大統領：ルイ・デズセラン
ベン：ヴィニー・ダイク
アンジェラ：マギー・グローブ
ドミニク：グスタフ・セイジ
カール：アリ・ハースタンド
ジュリエット：エレン・モナハン
エレーヌ：アリーズ・マリー
ランス：マーク・ディポリット
ジョセフ：ギャレット・ワインステイン
リットン上級捜査官：ダレン・ナッシュ

スタッフ

監督・脚本・製作：中島央
製作：アラン・ノエル・ヴェガ、ケリー・コスケラ、立石賢司
撮影：今井俊之
美術：リカルド・オルタ
編集：目見田健
衣装デザイン：オータム・レイ、エレン・チョウ
音楽：比留間一昭
キャスティング：クリステル・タバンキュラ

本作は、クローンという存在を巡る悲劇を通して、生命倫理、人権、そして抑圧に対する様々な形での抵抗を描いた、現代社会にも通じるテーマを持つSFドラマと言えるでしょう。

外部リンク

『シークレット・チルドレン』 公式サイト - ウェイバックマシン（2016年10月25日アーカイブ分）
『シークレット・チルドレン』 (thesecretchildren.movie) - Facebook
* シークレット・チルドレン (@TSC_movie) - X（旧Twitter）

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