シーズ・ソー・アンユージュアル

シンディ・ローパーの原点『シーズ・ソー・アンユージュアル』

シンディ・ローパーが1983年に発表したデビューアルバム『シーズ・ソー・アンユージュアル』（原題: She's So Unusual）は、彼女を一躍スターダムに押し上げた作品です。日本初回盤は『N.Y.ダンステリア』というタイトルでしたが、後に原題のカタカナ表記に変更されました。2000年にはSACD版も発売されています。

デビューまでの道のり

ソロデビュー前、ローパーは1980年にバンド、ブルー・エンジェルでメジャーデビュー。しかし、バンドは解散し、彼女はクラブやレストランで歌う日々を送ります。1983年、当時のボーイフレンド、デヴィッド・ウルフの尽力により、ポートレイト・レコードとの契約を獲得し、ソロデビューのきっかけを掴みました。

制作の舞台裏

レコーディングには、ザ・フーターズのエリック・バジリアンとロブ・ハイマンが主要メンバーとして参加。「ホエン・ユー・ワー・マイン」を除く全9曲のアレンジを、ローパー、リック・チャートフと共に手掛けました。「ホエン・ユー・ワー・マイン」は、プリンスが1980年に発表した楽曲のカバーで、ローパー、チャートフ、ウィリアム・ウィットマンがアレンジを担当しています。

世界的な成功

アルバムからの先行シングル「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」は、アメリカのBillboard Hot 100で2位を記録。アルバム自体もBillboard 200で4位に達し、RIAAによって6xプラチナに認定されました。「タイム・アフター・タイム」はBillboard Hot 100とアダルト・コンテンポラリー・チャートで1位を獲得。「シー・バップ」は全米3位、「オール・スルー・ザ・ナイト」は全米5位、「マネー・チェンジズ・エヴリシング」も全米27位と、数々のヒット曲を輩出しました。

カナダでは、RPMアルバム・チャートで1位を獲得。ニュージーランドのアルバム・チャートでは3週連続で3位を記録し、56週連続でトップ50入り。日本でもオリコンLPチャートで5位を記録し、64週にわたるロングセラーとなりました。

批評家からの評価

グラミー賞では最優秀アルバム賞と最優秀アルバム・パッケージ賞にノミネートされ、最優秀アルバム・パッケージ賞を受賞。『ローリング・ストーン』誌の「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」では184位、「オールタイム・ベスト・デビュー・アルバム100」では63位にランクインするなど、高い評価を得ています。

収録曲

1. マネー・チェンジズ・エヴリシング
2. ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン
3. ホエン・ユー・ワー・マイン
4. タイム・アフター・タイム
5. シー・バップ
6. オール・スルー・ザ・ナイト
7. ウィットネス
8. アイル・キス・ユー
9. ヒーズ・ソー・アンユージュアル
10. イェー、イェー

参加ミュージシャン

シンディ・ローパー - ボーカル
エリック・バジリアン - ギター、ベース、フーター、サックス、バッキング・ボーカル
ロブ・ハイマン - キーボード、バッキング・ボーカル
アントン・フィグ - ドラムス、パーカッション
ニール・ジェイソン - ギター、ベース
ピーター・ウッド - シンセサイザー
* その他多数

『シーズ・ソー・アンユージュアル』は、シンディ・ローパーの個性が爆発した、80年代を代表する名盤です。彼女の音楽性とファッションは、当時の若者に大きな影響を与え、現在でも多くの人々に愛されています。

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