シータ波

シータ波（θ波）とは

シータ波（θ波、英: theta wave）は、脳波計（EEG）を用いて計測される脳波の一種です。頭皮に装着した電極から記録される脳波のうち、周波数が4Hzから8Hzの範囲にあるものを指します。

シータ波の研究

海馬において、約8Hzの強い脳波、すなわちシータ波が観察されることが知られています。このシータ波は、神経細胞の集団が同期して活動することで生み出されます。

近年、学習の際に特徴的に現れる脳回路活動であるシータ波が、記憶形成において重要な役割を果たす海馬の新生ニューロンの分化を促進することが明らかになりました。具体的には、海馬にシータ波が伝達されると、ニューロン前駆細胞が刺激され、ニューロンへの分化が促されます。この過程を経て、最終的には新生ニューロンの数が増加することも確認されています。

これらの研究成果は、シータ波が学習や記憶といった認知機能に深く関わっている可能性を示唆しており、今後の脳科学研究において重要な手がかりとなると期待されています。

関連用語

脳波: 脳の神経細胞の活動に伴い発生する電気的な変動を、頭皮上で記録したものです。脳波の周波数帯域によって、デルタ波、シータ波、アルファ波、ベータ波、ガンマ波などに分類されます。
神経振動: 脳内の神経細胞集団が同期して活動することで生じる、リズミカルな電気的活動のことです。シータ波も神経振動の一種です。
ガンマ波: 30Hz以上の高い周波数を持つ脳波で、注意や認知機能に関与すると考えられています。
ベータ波: 14Hzから30Hzの周波数を持つ脳波で、覚醒時や集中時に現れやすいとされています。
アルファ波: 8Hzから13Hzの周波数を持つ脳波で、リラックスした状態や瞑想時に現れやすいとされています。
デルタ波: 4Hz以下の低い周波数を持つ脳波で、深い睡眠時に現れることが知られています。

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