シートフィルム

シートフィルムとは、写真フィルムを1枚ずつにカットしたもので、カットフィルムとも呼ばれます。主に大判カメラで使用されるフィルム形式です。

シートフィルムの利点

シートフィルムは、ロールフィルムと比較して以下のような利点があります。

即時現像: 1枚撮影するごとに現像が可能で、撮影結果をすぐに確認できます。
簡易現像: 皿などの簡単な容器でも現像ムラを起こさずに現像できます。
テスト現像: 増感・減感のテスト現像を1カットで行うことができます。
平面性: ロール状に巻かないため、ベースが硬く、優れた平面性を保ちます。
高画質: ロールフィルムに比べて撮像面積が大きいため、高画質を得ることができます。

シートフィルムの欠点

一方で、シートフィルムには以下のような欠点もあります。

装填の難しさ: フィルムホルダーへの装填に熟練が必要で、失敗するリスクがあります。
コスト: 撮影1コマあたりのコストが高いです。
速写性: ロールフィルムに比べて速写性に劣ります。

近年では、4×5判のパケットフィルムが登場し、フィルム装填時の表裏の間違いや片がけの失敗は解消されつつあります。パケットフィルムは、フィルムが1枚ずつパケットに装填されており、暗室以外でも取り扱うことが可能です。

シートフィルムの現状

現在、一般撮影で使用されるシートフィルムとしては、4×5判、5×7判、8×10判の3種類が一般的です。しかし、デジタルカメラの画質向上と利便性からフィルム需要が減少し、シートフィルムの銘柄も大幅に減少しています。

かつて販売されていたパケットフィルムも、コダックが製造販売を終了し、富士フイルムのクイックロードシリーズも生産を終了しています。ただし、メーカーによっては生産中止となった5×7判などのシートフィルムの切り分け販売に特注で対応してくれる場合もあります。

関連事項

ロールフィルム
X線撮影
写真フィルム
大判カメラ

もう一度検索