シー・シー・シー

「シー・シー・シー」：ザ・タイガースが生んだ大ヒットシングル

「シー・シー・シー」は、日本の音楽史に名を刻むグループ・サウンズを代表するバンド、ザ・タイガースが1968年7月5日に発表した通算6枚目のシングルレコードです。

楽曲制作の背景

このシングルを制作するにあたり、当初は異なる楽曲がA面候補として検討されていました。それは「南の島のカーニバル」というタイトルで、後に数々の名曲を生み出すことになる作詞家・橋本淳氏と作曲家・すぎやまこういち氏の手によるものでした。しかし、最終的にはこの曲が採用されることはなく、シングルとして発表されたのは「シー・シー・シー」でした。「南の島のカーニバル」は、当時のシングルとしては日の目を見ませんでしたが、発売から長い年月を経た1990年、10枚組のCDボックスセット『ザ・タイガース / PERFECT CD BOX』の中に収められたアルバム『レジェンド・オブ・ザ・タイガース』にて初めて公式に音源化され、ファンに届けられました。

シングル収録曲

シー・シー・シー (C－C－C) [再生時間: 2分53秒]
作詞は安井かずみ氏、作曲は加瀬邦彦氏が手がけました。この楽曲は、ザ・タイガースのオリジナル・スタジオ・アルバムには収録されていませんが、編集盤アルバム『THE TIGERS AGAIN』には収められています。
白夜の騎士 (Knight in the night) [再生時間: 3分00秒]
シングル「シー・シー・シー」のカップリング曲として収録されました。作詞は有川正子氏（補作詞は橋本淳氏）、作曲はすぎやまこういち氏によるものです。この楽曲の歌詞は、フジテレビ系列で当時放送されていた音楽番組『若さで歌おう ヤアヤアヤング!』で募集された作品の中から選ばれました。

商業的な成功

「シー・シー・シー」は商業的にも大きな成功を収めました。オリコンによる集計では、このシングルは実に50.8万枚という驚異的な売上を記録しました。これは、当時のザ・タイガースが日本全国でいかに絶大な人気を誇っていたかを示す数字であり、彼らの代表曲の一つとして語り継がれる理由の一つとなっています。

後世への影響とカバー

発表から半世紀以上が経過しても、「シー・シー・シー」は多くの人々に親しまれており、様々なアーティストによってカバーされています。例えば、タレントで歌手としても活動した若槻千夏氏は、2003年にリリースした自身のシングル「愛のカケラ」のカップリング曲としてこの楽曲をカバーしました。また、日本の音楽シーンに多大な影響を与えてきた音楽家である近田春夫氏が率いるバンド、近田春夫&ハルヲフォンも、2008年に発売されたアルバム『リメンバー・グループ・サウンズ』の中で本楽曲を取り上げています。これらのカバーは、「シー・シー・シー」が単なる一過性のヒット曲ではなく、時代を超えて愛される楽曲であることを証明しています。

「シー・シー・シー」は、ザ・タイガースの輝かしいキャリアの中でも特に重要な位置を占める楽曲であり、当時の日本の若者文化や音楽シーンを象徴する一曲として、今なお多くのファンに記憶されています。

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