ジェイアールバス関東西那須野支店

ジェイアールバス関東西那須野支店：歴史と地域を繋ぐバス営業所

ジェイアールバス関東西那須野支店は、栃木県那須塩原市永田町に位置するJRバス関東の営業所です。西那須野駅西口に隣接しており、塩原温泉郷へのアクセスを主要業務としています。

歴史：省営バスからJRバスへ

1931年頃、日塩道路開削に伴い、沿線住民から那須塩原地区へのバス路線開設が要望されました。しかし、既存事業者からの反対により、当初計画は変更を余儀なくされ、西那須野―矢板―塩原間の運行となりました。その後、関東自動車が積極的に路線を譲渡し、省営バスは発展を遂げます。

1937年、省営自動車西那須野自動車区として開設。その後、国営自動車を経て、1987年の国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道自動車事業部西那須野自動車営業所となります。1988年にはジェイアールバス関東西那須野営業所、1992年にはジェイアールバス関東の改組により西那須野支店と改称され、現在に至ります。

路線と運行：塩原温泉郷へのアクセス

現在、主力路線である塩原本線（那須塩原駅西口～塩原温泉バスターミナル）は、国や県、市からの補助を受けて運行されています。かつては鬼怒川温泉への路線や複数の支線も存在していましたが、マイカー利用の増加などにより、1978年以降は路線が廃止され、現在の1路線体制となりました。それでも、新幹線駅へのアクセス路線であることから、観光客の利用は少なくありません。

2007年からは那須塩原市地域バス「ゆーバス」の運行も受託しています。ゆーバスは、市内各地を網羅するコミュニティバスとして、地域住民の生活を支えています。2021年には、Suicaと相互利用可能な地域連携ICカード「totra」を導入し、乗降方式も変更されました。

車両：多様なニーズに対応する車両配置

かつては大型観光バスが多く配置されていましたが、現在では塩原本線のみとなり、中型ノンステップバスが中心となっています。ゆーバスにも中型ノンステップバスが使用され、バリアフリー化への対応も進んでいます。貸切車も配置されており、観光シーズンやイベント時には活躍しています。過去には、地域に根付いた「もみじバス」やレトロデザインのボンネットバスも運行されていました。

その他事業：地域社会への貢献

西那須野支店はバス運行以外にも、地域社会への貢献活動を行っています。西那須野駅前の食堂・売店営業は終了しましたが、那須塩原駅や矢板駅の駐車場運営などを行っています。また、フリーきっぷや乗継割引などのサービスも提供し、観光客の利便性向上に努めています。近年は、自動運転バスの実証実験にも参加するなど、時代の変化に対応した取り組みも積極的に行っています。

まとめ：地域と共に歩むバス営業所

ジェイアールバス関東西那須野支店は、長い歴史の中で地域社会と密着した営業を展開してきました。塩原温泉郷へのアクセスを担うだけでなく、地域バス運行や観光支援など、多様な役割を担い、地域住民の生活と観光の両面を支えています。今後も、変化するニーズに対応しながら、地域社会に貢献していくことが期待されます。

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