ジェイムズ・バーバー

ジェイムズ・バーバーの生涯と業績

ジェイムズ・バーバー（James Barbour）は1775年6月10日にバージニア植民地のオレンジ郡に生まれました。彼は弁護士としてのキャリアをスタートさせ、その後、政治家として多くの重要な役職を歴任しました。彼の父はピーター・ケリーであり、母はメアリー・ペンドルトン・トマスでした。両親は大規模な土地を所有していましたが、バーバーが若い頃にその財産は失われてしまいます。バーバーは初等教育をゴードンヴィルで受けた後、1794年に弁護士の資格を取得します。

1792年、バーバーはルーシー・ジョンソンと結婚し、農園に必要な資産を得る機会を得ました。それから数年後、彼はバージニア州下院で議員に選ばれ、最年少の議員として注目されました。彼は多くの重要な委員会を担当し、また自らの演説能力で人々を魅了しました。バーバーは、当時のアメリカが目指した自由と権利の保護について強い信念を示しました。特に1798年の外国人・治安諸法に対する反対意見では、政府が個人の権利を抑圧する様を批判しました。

バーバーが下院で最も力を入れたのは教育に関する法律で、これは公立学校に財政援助を提供するものでした。この法律は1810年に可決され、彼は教育を社会の進歩を促進する要素と考えていたことが伺えます。

1811年、バーバーはバージニア州知事に立候補しますが、最初は敗北。しかし、その数週間後に前知事が不慮の事故で亡くなり、彼が後任として指名されました。知事として彼は、米英戦争に関連して戦争の準備を強く支持し、バージニア州の民兵を強化するための訓練や装備を拡充しました。彼の強硬な立場から「戦争知事」と呼ばれました。

1814年から1815年にかけて、バーバーはアメリカ合衆国上院議員として活動し、重要な法案への支持や新たな銀行設立に向けた政策を提案しました。また、航海法の導入に関与し、それを通じてイギリスに対する抗議の姿勢を示しました。1819年には上院仮議長に選出され、議会運営に貢献しました。

1825年には、ジョン・クインシー・アダムズ大統領の下で陸軍長官に就任します。彼の任期中、アメリカ・インディアンとの関係や土地の取り決めなどの問題に取り組みました。一度は知事による先住民族の土地追放要請を無視し、連邦政府の介入を図るなど、先見の明を持った政治判断を行いました。

晩年、バーバーは大統領選挙の副大統領候補に名を連ねましたが、これを断り、欧州の知識人界との交流を深める形で駐イギリス公使としての道を選びました。イギリス留任後、バージニア州に戻り、再度州下院議員に立候補しますが、ここでの摩擦から辞任しました。

1842年6月7日、バーバーは家族に囲まれながら亡くなりました。彼の名は、バージニア州の地名や歴史地区に残されています。バーバーの生涯は、政治家としての能力だけでなく、教育や人権の理念に尽力した姿勢を反映しています。

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