ジェノヴァのレ・ストラーデ・ヌオーヴェとパラッツィ・デイ・ロッリ制度

ジェノヴァのレ・ストラーデ・ヌオーヴェとパラッツィ・デイ・ロッリ制度

「ジェノヴァのレ・ストラーデ・ヌオーヴェとパラッツィ・デイ・ロッリ制度」は、イタリアの世界遺産の一つであり、16世紀にジェノヴァで整備された「新しい街路群」（ストラーデ・ヌオーヴェ）と、そこに立ち並ぶパラッツォ（宮殿）群が対象です。

ストラーデ・ヌオーヴェは、具体的には現在のガリバルディ通りとその周辺の街路を指し、この通りには、かつて「ロッリ」（迎賓館目録）に掲載されていたパラッツォ群が今も残っています。「パラッツィ・デイ・ロッリ」という名称は、これらの宮殿群がかつての迎賓館目録に登録されていたことに由来します。

ガリバルディ通り

ガリバルディ通りは、ジェノヴァの中心部を東西に貫く大通りであり、16世紀に建てられた邸宅群が軒を連ねています。この通りは、その壮麗な宮殿建築によって、歴史的にも重要な場所とされています。

かつては「ストラーダ・ヌオーヴァ」（新街路）と呼ばれていましたが、1882年にイタリア統一の英雄ジュゼッペ・ガリバルディを記念して現在の名前に改称されました。この通りは、その美しさから「王たちの通り」とも称されました。

迎賓館目録

ジェノヴァ共和国時代には、高位の賓客をもてなすために、宮殿や貴族の邸宅をまとめた「迎賓館目録」（Rolli degli alloggiamenti pubblici）が存在しました。この目録に登録された宮殿は、その富と権力を誇示する場として、建築的にも美術的にも傑出したものでした。

建築家ガレアッツォ・アレッシが手がけたパラッツォ・カンビャーゾ（1565年）とパラッツォ・レルカリ＝パロディ（1567年）は、迎賓館目録に登録されていた代表的な宮殿です。

主な宮殿群

フォンターネ・マローゼ広場からメリディアーナ広場にかけて、ガリバルディ通り沿いに立ち並ぶ主な宮殿群を、右から左の順に紹介します。

パラッツォ・パラヴィチーニ・カンビャーゾ
ベルナルディノ・カントーネの設計、ガレアッツォ・アレッシの監修により、1558年から建設が開始されました。18世紀にはカンビャーゾ家の所有となりました。アンドレア・セミノとオッターヴィオ・セミノの作品である『サビーニ人の略奪』や『エロスとプシュケの物語』が所蔵されています。

パラッツォ・パンタレオ・スピノラ
別名パラッツォ・ガンバロ。ベルナルド・スパツィオが建築、ピエトロ・オルソリノが完成させました。ジョヴァンニ・ベルナルド・カルローネとジョヴァンニ・バッティスタ・カルローネ兄弟によるフレスコ画が特徴です。

パラッツォ・レルカリ・パロディ
1567年にガレアッツォ・アレッシによって建てられました。ルカ・カンビアーゾのフレスコ画が有名です。

パラッツォ・カッレガ・カタルディ
ジョヴァンニ・バッティスタ・カステッロが設計し、バルトロメオ・リッチョ、ドメニコ・ソラリ、アントニオ・ロデリが建築を手がけました。

パラッツォ・ドリア
ベルナルディノ・カントーネが1563年に設計しました。

パラッツォ・ポデスタ
ジョヴァンニ・バッティスタ・カステッロとベルナルディノ・カントーネによって1559年から1565年にかけて建てられました。

パラッツォ・カッターネオ・アドルノ
1583年から1588年にかけて建設されました。

パラッツォ・ドリア・トゥルシ
ドメニコ・ポンセッロとジョヴァンニ・ポンセッロが設計し、1565年に建てられました。

パラッツォ・カンパネッラ
ジョヴァンニ・ポンツェッロの設計で1562年に建てられました。

パラッツォ・デッレ・トッレッテ
ジャコモ・ヴィアーノが設計しました。

パラッツォ・ロッソ
ピエル・アントニオ・コッラディが設計し、1670年に完成しました。1874年に博物館としてジェノヴァ市に寄贈されました。

パラッツォ・ビアンコ
1530年から1540年にかけて建てられました。1884年にパラッツォ・ロッソ同様、博物館として寄贈されました。

登録基準

この世界遺産は、以下の登録基準を満たして登録されました。

(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。

外部リンク

パラッツォ・ビアンコの公式サイト
パラッツォ・ロッソの公式サイト
パラッツォ・トゥルシの公式サイト
パラッツォ・スピノラの公式サイト

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