ジェノヴァ県

イタリア共和国の北西部、リグーリア州には、県級の行政区画としてジェノヴァ大都市圏（Città metropolitana di Genova）が存在します。かつてはジェノヴァ県（Provincia di Genova）と呼ばれていましたが、2015年1月1日に法的な位置づけが変更され、大都市圏へと移行しました。便宜上、現在でも「ジェノヴァ県」と称されることがあります。この行政区画の中心都市は、リグーリア州の州都でもあるジェノヴァです。

ジェノヴァ大都市圏は、細長く東西に広がるリグーリア州の東部に位置し、南側はリグリア海の美しい海岸線に面しています。その地理的な範囲は、海岸部から内陸の山間部まで多様な景観を含んでいます。周辺地域との境界を見ると、北東にはエミリア＝ロマーニャ州のピアチェンツァ県、東には同じくエミリア＝ロマーニャ州のパルマ県が隣接しています。南東はリグーリア州内のラ・スペツィア県、南西は同じくリグーリア州のサヴォーナ県と接しています。また、北西はピエモンテ州のアレッサンドリア県と境を接しており、広範な地域と繋がっています。

この地域内には、複数の都市や集落が点在しています。最大の都市は、行政・経済・文化の中心であるジェノヴァで、2001年の国勢調査時点では60万人を超える人口が集中していました。その他の主要な都市としては、キアーヴァリ、ラパッロ、セストリ・レヴァンテ、ラヴァーニャ、アレンツァーノなどがあり、これらはそれぞれ1万人以上の住民を擁し、地域の拠点として機能しています。これらの都市は、海岸線沿いや内陸部に位置し、それぞれの特性を持っています。

ジェノヴァ大都市圏は、合計で67のコムーネ（基礎自治体）によって構成されています。これらのコムーネが連携し、地域の行政サービスや開発を担っています。

文化・観光面でも、ジェノヴァ大都市圏は魅力に富んでいます。特に、中心都市ジェノヴァには、ユネスコの世界遺産に登録されている「ジェノヴァのレ・ストラーデ・ヌオーヴェとパラッツィ・デイ・ロッリ制度」があります。これは16世紀から17世紀にかけてのジェノヴァ共和国の繁栄期に建てられた豪華な宮殿群とその独自の宿泊制度を称えるもので、訪れる人々に歴史の深さを伝えています。この他にも、リグリア海沿いの風光明媚な港町や海岸線、内陸部の自然景観など、多様な観光資源が存在します。

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