ジェリー・パーク

ジェリー・パークは、カナダのケベック州モントリオールに存在した野球場です。1969年から1976年まで、モントリオール・エクスポズ（現ワシントン・ナショナルズ）の本拠地として使用されました。

誕生と拡張
1968年、MLB機構がモントリオールに新球団を創設を発表。本拠地候補として、当時マイナーリーグの試合で使用されていたデロリミアー・スタジアムなどが挙がる中、最終的に選ばれたのがジェリー・パークでした。しかし、当時のジェリー・パークは収容人数が3,000人程度の小さな野球場だったため、エクスポズの本拠地として使用するために拡張工事が行われました。1969年のシーズン開幕には間に合わず、工事完了は5月までずれ込みましたが、内野の周りと左翼に客席が新設され、収容人数は28,000人まで増加しました。

エクスポズの本拠地として
1969年4月14日、ジェリー・パークでカナダ初のMLB公式戦となるエクスポズ対カージナルス戦が開催され、29,184人の観客が詰めかけました。エクスポズは当初、1972年に新球場への移転を計画していましたが、これは実現せず、1976年のモントリオールオリンピック開催を機に、オリンピックスタジアムを改修して野球場とすることになり、1977年にエクスポズはオリンピック・スタジアムへ移転しました。

数々のドラマ
ジェリー・パークでは、数々のドラマが生まれました。
1969年4月14日：カナダ初のメジャーリーグ公式戦が開催され、エクスポズが8-7でカージナルスに勝利。
1971年9月29日：ロン・ハントがシーズン50個目の死球を受け、MLB記録にあと1個と迫る。9回にはサヨナラヒットを放ち、チームを勝利に導く。
* 1972年10月2日：ビル・ストーンマンが自身2度目のノーヒットノーランを達成。アメリカ国外では初の快挙となる。

閉鎖とその後
1976年9月26日、ジェリー・パークでの最後の試合となるエクスポズ対フィリーズのダブルヘッダーが行われ、2試合ともフィリーズが勝利しました。エクスポズの移転後、ジェリー・パークは様々なイベントに使用されましたが、1993年に全面改修が行われ、12,000人収容のテニス場スタッド・ユニプリ（Stade Uniprix）へと姿を変えました。
現在、ジェリー・パークはテニス場として、ロジャーズ・カップなどの国際的な大会も開催されています。かつて野球場として数々のドラマを生んだ場所は、新たなスポーツの舞台として歴史を刻んでいます。

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