ジェームズ・ブレグマン

ジェームズ・ブレグマン：アメリカ柔道の先駆者

ジェームズ・スティーブン・“ジム“・ブレグマン（James Steven "Jim" Bregman、1941年11月17日 - ）は、アメリカ合衆国を代表する柔道家であり、1964年東京オリンピック中量級での銅メダル獲得という輝かしい功績を残しました。彼の柔道人生は、競技者としてだけでなく、指導者、そしてアメリカ柔道界の改革者としての側面も持ち合わせています。

生い立ちと柔道との出会い

1941年、バージニア州アーリントン郡でユダヤ人の家庭に生まれたブレグマンは、幼少期に喘息を患っていました。体力をつけるために様々なスポーツを試す中で、12歳の時に柔道と出会い、その魅力に引き込まれていきます。フェアリントン小学校からウェイクフィールド高校へと進学する傍ら、ペンタゴン職員向けの柔道クラブやワシントン柔道クラブで研鑽を積み、15歳という若さで黒帯を取得しました。

日本での修行

高校卒業後、ブレグマンは上智大学経済学部に進学し、日本での生活をスタートさせます。講道館での練習に加え、明治大学や早稲田大学の柔道部にも参加し、日本のトップレベルの選手たちと切磋琢磨することで、自身の柔道技術をさらに高めていきました。

東京オリンピックでの快挙

1964年、全米柔道選手権で優勝したブレグマンは、東京オリンピックのアメリカ代表に選出されます。当時、アメリカ代表チームは、ユダヤ系アメリカ人、日系アメリカ人、ネイティブアメリカンという多様なルーツを持つメンバーで構成されていました。ブレグマンは中量級に出場し、準決勝で敗れたものの、銅メダルを獲得。これは、この大会においてアメリカ人唯一のメダル獲得という快挙でした。

引退後も柔道界に貢献

1965年、パンナム選手権で優勝、マカビア競技大会でも優勝、世界選手権では3位入賞を果たしますが、1966年に膝の手術を受けたことで現役を引退します。

引退後、1967年にはワシントンD.C.に「オリンピック柔道クラブ」を開設し、アメリカにおける柔道指導者の育成に力を注ぎました。また、アメリカ柔道協会の設立にも尽力し、会長を3期務めるなど、アメリカ柔道界の発展に大きく貢献しました。

2018年1月には、米国柔道協会から最高段位である十段を授与され、その功績が称えられました。さらに、USA柔道の米国柔道殿堂にも殿堂入りを果たしています。

ジェームズ・ブレグマンは、競技者としてだけでなく、指導者、そして改革者として、アメリカ柔道の歴史に名を刻んだ人物と言えるでしょう。彼の柔道に対する情熱と、その普及・発展への貢献は、今後も語り継がれていくことでしょう。

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