ジブラルタルの罠

ジブラルタルの罠の概要



『ジブラルタルの罠』（Gibraltar）は2013年度に公開されたフランス・カナダ共同制作のサスペンス映画です。本作は、監督ジュリアン・ルクレルクによるもので、主演にはジル・ルルーシュやタハール・ラヒムが名を連ねています。物語は1980年代、フランスの税関の「情報屋」となったマルク・フィエヴェの実際の経験をもとにしています。

日本では劇場での公開はなかったものの、2015年にはWOWOWで放送されました。

ストーリーのあらすじ



物語は1987年、ジブラルタルに住むフランス人マルク・デュヴァルの生活から始まります。彼は妻と一緒にバーを経営しながら、生活の厳しさや借金に悩まされています。そんな中、フランスの税関捜査官レジャーニ・ベリマヌから接触され、バーでの麻薬密売に関する情報提供を依頼されます。マルクは初めは単なる情報屋としての役割を果たすことを考えていましたが、やがて囮捜査や危険な任務に巻き込まれていくことになります。

マルクは麻薬組織のボスであるマリオから接触を受け、大規模な密輸に関与することになります。彼は自らベリマヌに提案し、マリオの組織に潜入します。マリオからの信頼を得る一方で、マルクは密輸が摘発された際にカナダで労役を受けることになります。彼は麻薬組織の「ナンバー2」と見なされ、フランス税関はその事実を隠す方向に動きます。

妻クララは、マルクの無実を証明しようとカセットテープを用いてベリマヌに救出を求めますが、結局、フランス税関はマルクをフランスに移送するだけで彼の名誉回復には手を差し伸べませんでした。

10年の収監を経て出所したマルクは、自分の名誉を回復し、情報を提供する諜報員の地位向上のために戦い続けます。しかし、約束された金銭がクララに支払われることはなく、フランス税関の体制に対する不満が募っていくのです。最終的に、一方で逃亡中の麻薬組織のリーダー、マリオ（クラウディオ・パスコ・ランフレディ）は司法取引の末に釈放され、その後も賢く麻薬取引を続けていたため、物語に陰影を加えます。

キャスト




評価



映画『ジブラルタルの罠』は、フランスのメディアにおいて評価が分かれており、アロシネの評価によれば、16のメディアからの平均点は5点満点中2.8点です。また、Rotten Tomatoesでは8件の評論の内、高評価はたった25%に過ぎず、全体の平均点は10点満点中4.8点という結果となっています。

このように、賛否が分かれる作品ではありますが、視聴者にとっては緊迫感あふれる物語と登場人物の苦悩が印象に残る映画と言えるでしょう。

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