ジブンカラー

中村優のセカンドシングルとして2009年にリリースされた『ジブンカラー』は、彼女の音楽活動における重要な一歩を示した作品です。

このシングルには、表題曲である「ジブンカラー」をはじめ、カップリング曲、そしてそれぞれのインストゥルメンタルバージョンを含む、合計4つのトラックが収録されています。

中心となるタイトル曲「ジブンカラー」は、当時人気を博していたNHKのアニメシリーズ『メジャー』のエンディングテーマとして採用されました。このタイアップは、楽曲がアニメの視聴者層を含む、より多くのリスナーに届けられる機会をもたらしました。「ジブンカラー」の演奏時間は4分9秒です。作詞はワタナベカズヨシ氏、作曲はクツナテルヨシ氏が担当し、編曲はMISSILE CHEWBACCAが手掛けています。アニメの世界観にも通じるような、前向きで爽やかなメロディと歌詞が特徴です。

シングルのもう一つの核となる楽曲が、カップリングとして収録された「未来のメロディ」です。この曲は、「ジブンカラー」とは異なる魅力を持っています。作詞、作曲、編曲のすべてを紗希氏が担当しており、アーティストとしての多才さを示す一曲と言えるでしょう。再生時間は4分42秒で、表題曲よりも若干長めの構成になっています。温かみのあるサウンドと、希望を感じさせるような歌詞が、聴く人の心に寄り添う楽曲となっています。

また、このシングル盤には、「ジブンカラー」と「未来のメロディ」のそれぞれの「Less Vocal」バージョン、すなわちボーカル抜きのカラオケトラックも収められています。これらのトラックによって、リスナーは楽曲の純粋なメロディラインやアレンジをじっくりと味わうことができるほか、自分自身が歌唱を楽しむことも可能になっています。各曲のインストゥルメンタルバージョンは、オリジナルのボーカルバージョンと同じ時間設定です。

『ジブンカラー』の発売に際しては、関連イベントにも注目が集まりました。当初、2009年6月14日に、神奈川県海老名市にある商業施設「ビナウォーク」で発売記念イベントが開催される予定が立てられていました。しかし、当時の社会情勢として広がり始めていた新型インフルエンザの影響を受け、予定変更を余儀なくされます。イベント開催予定日である6月14日に海老名市内で新型インフルエンザの感染者が確認されたため、参加者の安全を考慮し、やむなくイベントは延期されることとなりました。

一度は延期となったこのイベントですが、状況の推移を見極めた上で、改めて開催日が設定されました。振り替えられた開催日は、当初の予定から約1ヶ月半後となる2009年7月26日です。この日、改めてビナウォークの会場で、無事に発売記念イベントが実施されました。延期を経ての開催となったことで、イベントを楽しみにしていたファンからの喜びの声が多く聞かれ、盛況のうちに幕を閉じました。この一連の出来事は、『ジブンカラー』というシングルに付随する、記憶に残るエピソードとして語られています。

このように、『ジブンカラー』は、NHKアニメ『メジャー』のエンディングテーマという強力なタイアップ曲を擁しているだけでなく、発売記念イベントにおける予期せぬ延期とその後の無事開催という出来事も加わり、中村優のディスコグラフィの中でも特に印象深い作品の一つとなっています。楽曲そのものの魅力と、それを巡る人間味あふれるエピソードが組み合わさることで、多くのファンにとって忘れられないシングルとして位置づけられているでしょう。

もう一度検索