ジャイアンツ・スタジアム

ジャイアンツ・スタジアムの歴史

ジャイアンツ・スタジアム（Giants Stadium）は、アメリカ合衆国ニュージャージー州イーストラザフォードに位置していました。このスタジアムは、特にアメリカンフットボールファンにはお馴染みの場所で、1976年の開場から2010年まで、ニューヨーク・ジャイアンツとニューヨーク・ジェッツが本拠地として利用していました。また、スタジアムの名前に「ニューヨーク」が冠されていますが、実際にはニュージャージー州に所在しています。周辺地域は「ニュージャージー・メドウランズ」と呼ばれています。

スタジアムの概要

スタジアムは約80,000人を収容でき、アメリカンフットボール専用に人工芝が敷かれていました。1975年にはニューヨーク・ジャイアンツと30年のリース契約を締結し、初試合はライバルチームであるダラス・カウボーイズとの対戦でした。1977年にはNASLのチーム、ニューヨーク・コスモスがヤンキー・スタジアムから本スタジアムに移転し、まずは1984年まで使用されました。

1984年からは、AFC東地区のニューヨーク・ジェッツがシェイ・スタジアムから移動し、このスタジアムを新しいホームグラウンドとしました。また、1994年にはアメリカでのサッカー・ワールドカップの試合が行われ、国際試合では天然芝が必要との規定に基づき、特設で天然芝が敷かれることになりました。

ジャイアンツとジェッツが共に使用する際、ジェッツの試合では「メドウランズ」という名称が多く使われ、ジェッツのチームカラーである緑色のカバーが施され、ジャイアンツの青色を抑えた配慮がされました。

その他の用途とイベント

ジャイアンツ・スタジアムは、プロサッカーリーグであるMLSにおいて、ニューヨーク・ニュージャージー・メトロスターズ（現在のレッドブル・ニューヨーク）も本拠地にしていました。この時期、アメリカンフットボールのオフシーズンには天然芝を使い、シーズン中は人工芝に戻すという運用が行われました。またコンサート会場としても、様々なアーティストによるパフォーマンスが行われました。特にグレイトフル・デッドやローリング・ストーンズ、ビリー・ジョエル、ボン・ジョヴィなど有名なミュージシャンが訪れました。

ブルース・スプリングスティーンとの因縁も深く、彼の1985年のボーン・イン・ジUSAツアーでは6公演、2003年のザ・ライジング・ツアーでは10公演が開催されました。そして、2009年9月24日にはU2のコンサートで84,472人という観客数を記録し、過去のローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の来場時の記録を上回りました。

最後の期間と閉場

ジャイアンツ・スタジアムは、2010年にレッドブル・ニューヨークとジャイアンツ、ジェッツがそれぞれ新しいスタジアム（レッドブル・アリーナおよびメドウランズ・スタジアム）に移転するまで使用されました。その後、スタジアムは閉場し、新たな歴史を締めくくることとなりました。ジャイアンツ・スタジアムは、アメリカンスポーツや音楽文化における重要な拠点として、多くの人々に記憶されています。

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