ジャガー・XK140

ジャガーXK140：洗練された英国スポーツカー

ジャガーXK140は、名門英国自動車メーカー、ジャガーが1954年から1957年にかけて製造したスポーツカーです。その名は、最高速度が約225km/h（140mph）に由来しています。XK120の後継モデルとして1954年のロンドンモーターショーで発表され、洗練されたデザインと性能の向上で高い人気を博しました。

XK120からの進化

XK140は、前モデルXK120をベースに、数々の改良が加えられています。外観はXK120とよく似ていますが、フロントグリルの縦バーの本数が少なく、バンパーが大型化されている点が大きな違いです。特にクーペモデルでは、室内空間が165mm延長され、2+2シーターへと進化。快適性と実用性を両立した設計となっています。クーペのボディサイズは、全長4,470mm、全幅1,640mm、全高1,400mm、ホイールベース2,590mm、車両重量1,295kgです。

強化されたパワーユニット

心臓部である直列6気筒XKエンジンは、排気量3,442cc。内径84.0mm、行程106.0mm、圧縮比8.0というスペックを持ち、SU製ツインキャブレターを装備しています。最高出力は190hp/5,500rpm、最大トルクは28.1kgm/3,000rpmと、強力なパワーとスムーズな走りを実現しました。さらに、上位モデルのSE仕様では、Cタイプのシリンダーヘッドを採用することで、最高出力を210hp/5,700rpmまで向上させています。エンジンの搭載位置もキャビン足元スペースの確保を目的に76.2mm前方へ移動されており、これにより理想的な50:50の重量配分が達成され、ハンドリング性能の向上に貢献しています。

走行性能と快適性の向上

トランスミッションは、オーバードライブ付きの4速マニュアルトランスミッション。スムーズなギアチェンジと高い効率性を実現しています。ブレーキシステムも前後ドラム式ながら改良が加えられ、制動性能が向上しています。ステアリングは、Cタイプと同様のラック・アンド・ピニオン式を採用し、正確で軽快な操舵感を実現しました。これらの改良により、XK140は優れた走行性能と快適性を両立したスポーツカーとなっています。

生産終了

ジャガーXK140の生産は、1957年5月に後継モデルであるXK150の発売に伴い終了しました。わずか3年間の生産期間でしたが、ジャガーの歴史において重要なモデルの一つとして、現在でも高い人気を誇っています。そのスタイリッシュなデザイン、パワフルなエンジン、そして洗練されたハンドリングは、多くの自動車愛好家を魅了し続けています。XK140は、英国スポーツカーの黄金時代を象徴する一台と言えるでしょう。

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