ジャスト・ザ・トゥー・オブ・アス: ザ・デュエッツ・コレクション (Vol.2)

オリビア・ニュートン＝ジョンの類稀なる歌声が、様々なアーティストと交差した瞬間を捉えたコンピレーションアルバムの第二弾、『ジャスト・ザ・トゥー・オブ・アス: ザ・デュエッツ・コレクション (Vol.2)』が、彼女の死を経て2023年10月6日に世に送り出されました。プライマリー・ウェイヴから届けられたこの作品は、2023年8月の発売告知以来、多くのファンに待ち望まれていました。オリビアがその長いキャリアの中で築き上げてきた、多彩なデュエットの軌跡をたどる貴重な音源が収められています。

このコレクションには、オリビアが共演した様々なアーティストとの楽曲が収められています。それぞれのデュエットは、異なる時代、異なるジャンル、異なる背景から生まれ、オリビアの音楽性の幅広さを示しています。

特に注目される楽曲の一つに、アンディ・ギブとの「レスト・オン・ユア・ラヴ・オン・ミー」があります。これはビージーズが作曲した楽曲のカバーであり、二人は1979年のユニセフチャリティショーで初めてこの曲を披露しました。その後、この感動的なパフォーマンスは1980年にリリースされたアンディ・ギブのアルバム『アフター・ダーク』に収録され、広く聴かれるようになりました。

レイボン・ブラザーズとの「フォーリング」もこのアルバムに選ばれています。この楽曲は1997年にリリースされたレイボン・ブラザーズのセルフタイトルアルバムに収められていましたが、ここで特筆すべきは、オリビア自身が1981年のアルバム『虹色の扉』で発表した同名の楽曲とは全く異なる作品であるという点です。同名異曲ながら、それぞれの時代におけるオリビアの共同作業を象徴しています。

また、オーストラリアの国民的歌手、ジョン・ファーナムと歌った「デア・トゥ・ドリーム」も収録されています。この楽曲は、2000年に開催されたシドニーオリンピックの開会式で二人が共演したことで特に記憶されています。同年にリリースされたオリンピック公式アルバムにも収められており、国の歴史的なイベントに花を添えた、記念碑的なデュエットと言えるでしょう。

オリビアは生前、デュエットアルバムをいくつか発表しており、2002年にリリースされた『デュエット・ウィズ・オリビア』からは、このコンピレーションに3曲がセレクトされています。さらに、オリビアが他のアーティストのアルバムにゲスト参加したデュエットも収録されており、ディオンヌ・ワーウィックが2006年に発表したアルバムや、アン・マレーが2007年にリリースしたアルバムに収められた楽曲が含まれています。これらの音源は、オリビアがいかに多くの音楽家と交流し、その才能を惜しみなく分かち合ってきたかを示しています。

そして、アルバムに深みを与えるのが、娘であるクロエ・ラッタンジーとのデュエット「ユー・ハフ・トゥ・ビリーヴ」です。この楽曲は、オリビアが1980年に世界的なヒットとなった自身の楽曲「マジック」を、2015年にデイヴ・オードがダンスナンバーとして再構築したものです。母娘二代にわたる歌声が織りなすハーモニーは、オリビアの音楽が世代を超えて生き続ける絆を感じさせます。

『ジャスト・ザ・トゥー・オブ・アス: ザ・デュエッツ・コレクション (Vol.2)』は、オリビア・ニュートン＝ジョンの音楽的遺産を称え、彼女がいかに多くの人々と音楽を通じて繋がっていたかを再認識させてくれる作品です。キャリアの様々な時点から集められたこれらのデュエットは、早すぎる彼女の旅立ちを惜しむファンにとって、改めてオリビアの多様な魅力と、彼女が遺した歌声の輝きを感じ取るための大切な機会となるでしょう。

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