ジャック・ユーベル

ジャック・ユーベル（またはヤコブ・フーバー）は、1867年10月13日にスイスのシャフハウゼン州シュライトハイムで生まれ、1914年2月18日にブラジルのベレンで亡くなった植物学者です。

彼はバーゼル大学で学び、1892年に博士号を取得した後、モンペリエ大学で植物学の研究を続けました。1894年、ジュネーブ大学のセミナーで、ブラジルで活動していた植物学者エミール・ゲルディと出会い、その誘いを受けてブラジルへと渡ります。ユーベルは、ゲルディが勤務していたパラー州の自然史・民俗学博物館（後のエミリオ・ゴエルジ・パラー博物館）で職を得て、研究活動に励みました。同博物館では、昆虫学者のアドルフ・デュッケらとともに、アマゾンの自然に関する研究に力を注ぎました。

1907年には、ユーベルは同博物館の館長に就任し、その運営を担いました。彼は、植物学だけでなく、農学や工学の分野にも関心を広げ、特にゴムの研究において専門家としての地位を確立しました。1911年には、トリノなど海外を訪問し、1912年にはセイロンやマレーで講義を行うなど、国際的な活動も展開しました。彼の研究と活動は、アマゾン地域の植物学に大きな影響を与えました。

主な著作として、1900年に出版された「Arboretum amazonicum: iconographia dos mais importantes vegetaes espontaneos e cultivados da região amazonica」があります。この著作は、アマゾン地域に自生する植物や栽培される植物の図解をまとめたもので、彼の研究成果を示す重要な資料となっています。

ジャック・ユーベルは、スイスで生まれ、ブラジルで生涯を終えた植物学者として、アマゾン地域の植物研究に多大な貢献をした人物として、その名を歴史に刻んでいます。

略歴
1867年10月13日：スイス、シャフハウゼン州シュライトハイムで生まれる。
バーゼル大学で学び、1892年に博士号を取得。
モンペリエ大学で植物学を研究。
1894年：エミール・ゲルディと出会い、ブラジルへ。
パラー州の自然史・民俗学博物館（後のエミリオ・ゴエルジ・パラー博物館）で勤務。
1907年：同博物館の館長に就任。
1911年：トリノなど海外を訪問。
1912年：セイロン、マレーで講義。
1914年2月18日：ブラジルのベレンで死去。

主な著作
Huber, J. 1900. Arboretum amazonicum: iconographia dos mais importantes vegetaes espontaneos e cultivados da região amazonica = iconographie des plantes spontanées et cultivé es les plus importantes de la région amazonienne /organisada pelo J. Huber. Museo Paraense Emílio Goeldi. Publicación Info: Pará: Museo Paraense de Historia Natural y Etnografía, 1900.

もう一度検索