ジャニーズ被害者救済委員会

ジャニーズ被害者救済委員会の設立とその活動

ジャニーズ被害者救済委員会（以下、救済委員会）は、ジャニー喜多川による性加害問題に対応するために設立された団体で、旧ジャニーズ事務所から独立した形で活動しています。この委員会の設立は、2023年9月4日にジャニーズ性加害問題当事者の会による要望書がきっかけとなりました。

要望書では、ジャニーズ事務所に対して被害者救済のための委員会を設置することが求められました。これを受けて、9月13日にジャニーズ事務所は救済委員会の設置を発表し、金銭補償を行う窓口を設けることとなりました。案内された委員会のメンバーは、3人の弁護士で構成されており、森倫洋（現AI-EI法律事務所の代表パートナー）、定塚誠（同事務所の顧問弁護士）、杉原麗（霞総合法律事務所のパートナー）です。これらの弁護士たちは委員会の運営において独立性を維持し、判断を行う役割を担っています。

しかし、この委員会の運営に対してはいくつかの批判も寄せられています。たとえば、顧問弁護士の木目田裕やチーフ・コンプライアンス・オフィサーの山田将之が過剰に関与しているという意見があります。また、森倫洋が過去に懲戒処分を受けた経歴があることも、その信頼性に疑問を投げかける要因となっています。森倫洋は、西村あさひ法律事務所に所属していた2014年に、自己が関係する訴訟の第1審判決への批評記事を不適切に掲載したとして処分を受けています。

救済委員会設立後の活動も注目されています。2023年9月30日までに478件の申し出があり、そのうち325名が補償を求めています。この状況を受けて、10月16日には、ジャニーズ性加害問題当事者の会が公式ホームページ上でジャニーズ事務所に向けた最後の要望書を発表しました。この要望書には、委員会に当事者の会が推奨する複数名の参加を求める内容が含まれており、委員会が被害者の意見を無視して設立されたことへの不満が表明されています。

2024年10月13日、救済委員会の委員長であった定塚誠が死去しました。このため、杉原麗が委員長代行を務め、杉原と森の二人で委員会を運営することになります。

この一連の取り組みは、性加害問題に対する社会の関心を集め、多くの被害者が声を上げるきっかけともなっています。今後、救済委員会がどのように活動を進めていくのか、また被害者たちの救済がどのように実現されるのかが注目されています。

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