ジャパニーズ・ティー・ガーデン

ジャパニーズ・ティー・ガーデン：サンフランシスコの日本庭園

ジャパニーズ・ティー・ガーデンは、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコのゴールデン・ゲート・パーク内にある日本庭園です。1894年に開催されたカリフォルニア冬季万国博覧会の際に造園されたのが始まりで、公共の日本庭園としては米国で最も長い歴史を持っています。

歴史

庭園の起源は、博覧会のために日本から招聘された宮大工の中谷新七と庭師の松本辰五郎によるものです。博覧会後、日本人移民の萩原真が庭園の恒久的な公園化を提案し、自ら管理運営に尽力しました。萩原は、金魚や桜など様々な動植物を日本から取り寄せ、庭園の景観を豊かにしていきました。1915年のサンフランシスコ万国博覧会（パナマ太平洋国際博覧会）の際には、日本から送られた資材で建設された五重塔が移築されています。

しかし、第二次世界大戦中の日米開戦後、萩原家は日系人収容所に強制移住させられ、庭園も「オリエンタル・ティー・ガーデン」と改名されました。戦後、「ジャパニーズ・ティー・ガーデン」の名称は復活し、日本からの寄贈などにより復興が進められました。

1953年には、桜井長雄の設計による枯山水式の「禅ガーデン」が造園され、平和の灯籠が日本から寄贈されました。この灯籠は、サンフランシスコ講和条約を記念し、日本の子供たちの募金によって作られたもので、未来の世代の友好を象徴しています。

フォーチュン・クッキーとの関係

ジャパニーズ・ティー・ガーデンは、フォーチュン・クッキーの発祥の地としても知られています。萩原真は、庭園を訪れる客に、言葉を記した紙を入れた煎餅を提供し、人気を博しました。この煎餅は、サンフランシスコの和菓子店・勉強堂が焼いたもので、日本の辻占煎餅がルーツと言われています。

萩原の子孫たちは、日本の煎餅をアメリカに紹介し、「フォーチュン・クッキー」として広めた功績を萩原真に帰しています。

庭園の見どころ

池と橋：庭園内には美しい池が点在し、趣のある橋が架かっています。
建築物：五重塔をはじめとする、日本の伝統的な建築物が見られます。
植物：桜、ツツジ、カエデなど、四季折々の美しい植物が楽しめます。
禅ガーデン：静寂な雰囲気の枯山水庭園です。
* 平和の灯籠：日米友好の象徴として、平和への願いが込められています。

ジャパニーズ・ティー・ガーデンは、サンフランシスコを訪れる人々にとって、日本文化に触れ、心を癒すことができる貴重な場所です。

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